ニュース
運転者の好みを学習する車載向けAI技術:自然言語理解機能も応用(2/2 ページ)
ニュアンス・コミュニケーションズ・ジャパンは、車載インフォテインメント向け人工知能(AI)技術について、記者説明会を開催した。
「2年後にはこれらの機能が搭載された車両が登場するだろう」
4つのAI技術で横断的にサポートしようとしている運転支援の領域は、駐車場や給油所、POI(Point of Interest)、レストラン、メッセージ、トラベルガイドなどがある。単一の技術、統一されたユーザーインタフェースによって、駐車場やレストランなどの検索が可能となる。すでに、駐車場および給油所の検索をサポートした2製品は利用可能である。POI検索や自動車マニュアル検索用の製品も2017年5月以降には利用することが可能となる。「2年後にはこれらの機能が搭載された車両が市場に登場するだろう」(Kaisser氏)と述べた。
さらに、今後の開発計画も明らかにした。受信したメッセージから本文とその意図を理解して、利用者に伝える「スマートメッセージング」や、旅行先の見どころなどを紹介する「スマートトラベルガイド」、利用者が好みとする音楽やTPOに合わせた音楽を再生する「スマートミュージック」などを予定している。さらに既存のドメインをベースとしたカスタマイズにも応じていく考えだ。
これらの機能は、音声認識やテキスト読み上げなどの機能が組み込まれている現行システムでも、ハードウェアの処理能力としては対応可能だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ニュアンスの車内通話機能、メルセデスが採用
ニュアンス コミュニケーションズ ジャパン(以下、ニュアンス)は、独自の車載向け音声信号処理技術「VoCon SSE」と、その応用製品「In-Car Communication(ICC)」について、技術説明会とICC機能搭載車両への試乗会を行った。 - スマート家電やIR46、中国市場の“今”が分かるデモ
ルネサス エレクトロニクスが中国で初めて開催したプライベートイベント「DevCon China 2016」では、組み込み機器設計プラットフォーム「Synergy」をはじめ、中国市場のトレンドに沿った77種類のデモが披露された。その一部を紹介する。 - 会話音声から満足や不満を自動的に特定する技術
富士通研究所は、顧客と応対者の会話音声から自動的に満足や不安を特定する音声分析技術を開発した。2016年末から富士通とエフサスでコールセンター関連サービスで商品化予定という。 - Googleが語る、ニューラルネットワーク
Googleのシニアフェローは「SIGMOD 2016」で、ニューラルネットワークや機械学習について語った。コンピュータリソースやデータ量は十分にあるので、あとは“そのデータをいかに理解するか”が重要だという。 - 医療現場で多言語翻訳の臨床試験、富士通も参加
情報通信研究機構(NICT)と富士通は、病院などの医療現場で多言語音声翻訳システムを活用した臨床試験を行う。病院を訪れる外国人患者数が増加する中で、言葉の壁を感じさせずに、日本人医療者と自由に会話できる環境を提供する。 - NTTグループ、AI技術の実証実験を広範に展開
NTTなどグループ6社は、NTTグループが保有するAI関連技術「corevo(コレボ)」を用い、さまざまな分野/業界においてコミュニケーションロボットやセンサーなどと連動させた実証実験を始める。