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創業者T.J. Rodgers氏がCypressを提訴Canyon Bridgeとの関係をめぐり

Cypress Semiconductorの創業者で、2016年まで30年以上にわたり同社を率いてきたT.J. Rodgers氏が、Cypressを相手取り提訴した。

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Canyon Bridgeと現チェアマンの関係をめぐり


T.J. Rodgers氏

 Cypress Semiconductorの創業者であり、かつて長年にわたりCEOを務めていたT.J. Rodgers氏が、CypressのチェアマンであるRay Bingham氏と中国政府が支援する未公開株式(プライベートエクイティ)投資会社Canyon Bridge Capital Partners(以下、Canyon Bridge)とのつながりをめぐって利害の相反があったとして、同社に対して訴訟を起こした。この投資会社は現在、Lattice Semiconductorの買収を目指している。

 Rodgers氏は、2017年2月21日(米国時間)に発表した声明の中で、Bingham氏はCanyon Bridgeの共同設立者の1人であると述べた。Canyon Bridgeは2016年11月、Latticeを13億米ドルで買収すると発表した。ただし、この取引は、対米外国投資委員会(CIFUS)が承認しない可能性があり、買収の手続きは保留状態が続いている。

 Rodgers氏は、Cypressに会計帳簿を要求し、それを拒否された後、2017年1月に米国デラウェア州で訴訟を起こした。

 一方のCypressは報道発表資料の中で、同社の社外取締役と外部弁護士がRodgers氏の訴えをレビューした結果、「Rodgers氏の主張は推測に基づいており、対処する価値はないと判断した」と述べた。

 Rodgers氏は会計帳簿の要求の他、ON SemiconductorのDan McCranie氏、MagnaChip SemiconductorのCamillio Martino氏を同社の取締役に推薦した。

 Cypress側はRodgers氏の要求に応える形で、取締役を増やすこととMcCranie氏を取締役に任命することを提案した。だが、Rodgers氏が訴訟の取り下げを拒否したことを受けて、後にこの提案を撤回している。

 Rodgers氏の主張によると、「Latticeが、Canyon Bridge以外の買い手を求めてCypressにコンタクトしてきた際、Bingham氏は自身とCanyon Bridgeとの関わりを、Cypressの取締役会に対して明らかにしなかった」という。

 Rodgers氏は声明の中で「Cypressは深刻な利害の対立と倫理の欠如に直面している」と述べた。

 一方、Cypressは報道発表資料の中で「Cypressは、Rodgers氏が根拠もないままに当社に対して訴訟を起こし、Cypressや当社の取締役および重役の品位をおとしめる選択をしたことを極めて残念に思う」と述べた。

 Cypressはさらに「当然ながらわれわれは、Rodgers氏の創業者としての多大な貢献にしかるべき敬意を示している。だが、それをもってしても、Rodgers氏が当社の価値を打ち砕く可能性のある破壊的なやり方で、このような行動を起こすことを決めたのは残念だ」と述べた。

 34年にわたりCypressの実権を握ってきたRodgers氏は2016年、CEOの座を降りている。同氏は自身がCypressの最大の個人株主だと主張している。Cypressによれば、Rodgers氏が所有する株式は、発行済株式数の3%未満だという。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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