ニュース
NECが5G向け超多素子アンテナ、LTEの15倍以上:100MHz帯域幅に対応
NECは5G(第5世代移動通信)向けに、小型で軽量の超多素子AAS(Active Antenna System)を開発したと発表した。通信セル当たりのスループットは、LTEの15倍以上を実現するという。
フルデジタル制御を採用
NECは2017年2月、5G(第5世代移動通信)向けに、小型で軽量の超多素子AAS(Active Antenna System)を開発したと発表した。100MHz帯域幅に対応したことに加えて、64個のアンテナ素子を活用して、精度の高い指向性を持った信号を形成する「フルデジタル制御」を採用。空間多重技術も組み合わせることで、端末が偏在していたり、移動していたりする環境でも、高い周波数利用効率を実現するという。NECによると、従来のLTEと比較して、通信セル当たり15倍以上のスループットを達成可能だ*)。
*)40MHz帯域幅、2並列伝送の場合との比較。
また、RF回路と、デジタル回路の集積化や高密度プリント配線基板の採用により、アンテナ素子と無線処理部を一体化している。これにより、実用レベルとする26×34cm、重量6kgと小型軽量サイズを実現した。
NECは、2017年2月27〜3月2日にスペイン・バルセロナで開催されている「Mobile World Congress(MWC) 2017」で、同製品の展示と5Gへの取り組みを紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- MWC 2017、IntelとQualcommが4G/5G技術で火花
スペイン・バルセロナで間もなく始まる「Mobile World Congress(MWC) 2017」では、5G(第5世代移動通信)向け技術はもちろんのこと、LTE向け製品でも成熟したものが登場しそうだ。中でも5G向けモデムをいち早く発表したQualcommとIntelの展示は注目に値するだろう。 - 5G実証実験で、28GHz帯のハンドオーバーに成功
5G(第5世代移動通信)の実証実験において、KDDIが28GHz帯を使ったハンドオーバーに成功した。端末を搭載した自動車で市街地や高速道路を走行し、複数の基地局間でシームレスに切り替えられたという。KDDIは、セコムと共同で5G実証実験を進めることも発表した。 - 5G開発に注力する中国、背景には大規模なユーザー数
日本、米国、韓国に加え、5G(第5世代移動通信)開発に積極的なのが中国だ。中国では携帯電話の利用者数が爆発的に増えている背景から、5Gの導入に向けて活発に取り組みを進めている。 - 5Gの機器評価を容易で、安価にするOTAパワー測定
議論が活発となっている5G(第5世代移動通信)。商用化に向けて必ず通らなければいけないのが、量産に向けた性能評価だ。5Gではミリ波帯を用いることが検討されており、従来のような評価手法では対応が難しい。そこでローデ・シュワルツ・ジャパンは、5G対応の機器に対して安価で効率的な評価を実現する「R&S NRPM OTA(Over The Air)パワー測定ソリューション」を発表した。 - 5Gの加入契約数、2022年には5億5000万件に
Ericsson(エリクソン)は年に2回、モバイル市場の動向をまとめた「エリクソン・モビリティレポート」を発行している。同レポートの最新版(2016年11月発行)によると、5Gの加入契約数は、2022年には5億5000万件に達する見込みだという。レポートでは5Gの他、V2X(Vehicle to Everything)やセルラーIoT(モノのインターネット)ネットワークについてもカバーしている。 - Intelが5Gモデムを発表、モバイルでの返り咲き狙う
Intelは「CES 2017」で5G(第5世代移動通信)モデムを発表した。2017年後半にもサンプル出荷を開始する予定だという。