自動走行システム、公道で大規模実証実験を開始:5つの技術領域を実環境で実験
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、自動車専用道路や一般道路などの公道で、自動走行システムの大規模実証実験を推進していく。
国内外の自動車メーカーや関係企業にも参加を呼びかけ
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2017年3月、自動車専用道路や一般道路などの公道で、自動走行システムの大規模実証実験を推進していくと発表した。実証実験の期間は2017年度より2年間となる。
内閣府は2014年度より、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動走行システム」を推進してきた。自動走行システムの早期実用化と、その普及による交通事故の低減、渋滞削減、次世代都市交通システムの実現などを目指したもので、産学官共同による研究開発に取り組んできた。
今回、自動走行システムの大規模実証実験を円滑に行うため、実証実験を管理する法人としてNEDOが承認された。これを受けてNEDOは、葛巻清吾氏をプログラムディレクターとして、自動車専用道路や一般道路における大規模実証実験を推進していくこととなった。
実証実験では、重要な5つの技術領域について、人と自動車あるいは自動走行可能な自動車と従来の自動車が共存するような交通環境下で、実証実験を実施する。その技術領域とは、自動走行用の3次元デジタル地図「ダイナミックマップ」技術、人とシステム間で運転を交代する時に必要なインタフェース(HMI)技術、情報セキュリティ技術、歩行者の事故を低減する技術、そして次世代都市交通を支える技術である。
自動走行システムの大規模実証実験においては、関連技術の開発に取り組む国内外の自動車メーカーや関係企業にも参加を呼びかける。一般市民に対してもさまざまなイベントへの参加を促す予定である。
なお、NEDOのホームページでは、大規模実証実験等の委託先の公募に関する予告を始めた。本公募は2017年4月上旬を予定している。
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