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Cypress、低消費でより強固なセキュリティ実現IoT機器に特化した新PSoC(2/2 ページ)

Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は、IoT機器に向けたマイクロコントローラ(MCU)アーキテクチャ「PSoC 6」を発表した。デュアルCPUコア構成とし処理性能を向上しつつ、消費電力を抑えた。セキュリティ機能もハードウェアベースで実装した。

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ネット経由のソフトウェア書き換えも楽に

 IoT機器では、インターネットを介してソフトウェアの書き換えも容易となる。このため、より強固なセキュリティ機能が求められる。PSoC 6は、セキュアブート機能に加えて、ファームウェアやアプリケーションソフトウェア、暗号キーなどを保護するためのセキュアデータストレージ機能を備えた、ハードウェアベースのTEE(Trusted Execution Environment)を内蔵した。

 また、楕円曲線暗号(ECC)やAES(Advanced Encryption Standard)、セキュアハッシュアルゴリズム(SHA-1/2/3)などの暗号化アルゴリズムをハードウェアコプロセッサとして実装した。これによって、外部のメモリやセキュアエレメントを用いることなく、複数のセキュア環境を同時にサポートすることが可能となる。

 PSoC 6は、標準仕様品(PSoC 62パフォーマンスファミリー)に加えて、Bluetooth Low Energy(BLE)5.0に対応したワイヤレス接続オプション(PSoC 63コネクティビティファミリー)も用意している。PSoC 6のICチップ、開発キットおよび、ソフトウェアはすでに、特定顧客向けにサンプル出荷を始めた。量産は2017年第4四半期(10〜12月)初旬にも始める計画である。「PSoC 6 BLE Pioneer Kit(CY8CKIT-062-BLE)」の価格は75米ドルとなっている。2.7型E-inkディスプレイモジュールは20米ドルである。


PSoC 6開発キットの外観 出典:Cypress Semiconductor

ブランドロゴも刷新


日本サイプレスの社長を務める長谷川夕也氏と新たなロゴ

 サイプレス セミコンダクタは2016年8月、Hassane El-Khoury氏が社長兼CEO(最高経営責任者)に就任した。日本サイプレスの社長を務める長谷川夕也氏は、「新体制となり、経営ビジョンを『Cypress 3.0』に変更した。世界的には車載、IoT、インダストリアルの3分野を中心に、顧客に近いところでシステムソリューションを提案していく」と話す。経営ビジョンの変更に伴い、ブランドのロゴも刷新した。

 特に、IoT機器はハッキングやウイルスに対する対策がこれまで以上に要求される。「日本市場では、セキュリティ機能や無線機能とプログラマブルな機能を併せ持つPSoC 6製品の提案を、IoT市場に対して強力に推し進めていく」計画である。もちろん、ハードウェアでセキュリティ機能を搭載していることから、自動運転システムなどのハッキング対策にも有用だとしており、車載システムへの展開も行っていく方針である。

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