IntelがAI専門の部門を新設、開発を加速:自動運転車の部門に続き
Intelが新部門「Artificial Intelligence Products Group」を開設すると発表した。AI関連の取り組みをここに集約し、開発を加速することが狙いだ。
AI専門のグループを設立
Intelは、人工知能(AI)関連の取り組みを会社組織の垣根を越えて1つの部門に集約すると発表した。同部門の名称は「Artificial Intelligence Products Group(AIPG)」で、責任者にはIntelが2016年に買収したNervana Systemsの元CEO(最高経営責任者)のNaveen Rao氏が就任する。
Rao氏は2017年3月23日に投稿したブログ記事の中で、「IntelがAIプラットフォーム『Intel Nervana platform』にAI関連のハードウェアとソフトウェア製品を統合したように、エンジニアリングや研究開発、ソフトウェアを含むIntel全体のリソースをAIPGに集結する」と述べている。
同氏は、IntelがAIの応用研究室も開設することを明らかにした。同氏は、「画期的なアーキテクチャとアルゴリズムを探究し、次世代につながるAI技術の開発を目指す」と述べている。同研究室では、Intelと同社の顧客がより速く技術革新を進められるように、データセンターから端末装置、トレーニングから推論までの幅広いソリューションを開発するという。
米国の市場調査会社であるTirias Researchの主席アナリストを務めるKevin Krewell氏は、 EE Timesに対して、「AIはコンピュータ業界にとって最も重要な課題の1つだとIntelが認識していることは良い兆候だ。Rao氏をIntelの役員ではなくAIPGの責任者に任命したことから、Intelの変化がうかがえる」と述べている。
Intelは、同社がPC市場とデータセンター市場以外にも手を広げるには、AIが重要な機会になると考えている。IntelのCEOであるBrian Krzanich氏は、2016年11月に開催したAI関連のイベント「Intel AI Day」で、「AI分野で信頼される開発リーダーとして、さまざまな産業の変革に貢献したい」と述べている。
半導体企業は、事業形態や規模にかかわらず、AIがもたらす市場機会から利益を享受している。Intelは、GPUサプライヤーのNVIDIAやプログラマブルロジックベンダーのXilinxと比べて企業規模が大きく、さまざまな事業でAI関連のハードウェアやソフトウェアを扱っている。
Intelは過去数カ月間、AI製品の拡充に向けて、重要な買収に投資してきた。例えば2016年に、AIクラウドプラットフォームを手掛ける新興企業のNervana Systemsを買収した。買収価格は、3.5億米ドル以上だとされている。また、主にドローンに搭載される超低消費電力コンピュータビジョンプロセッサを開発する新興企業Movidius Technologyも同年に買収している。さらに2017年3月には、自動運転車向けのコンピュータビジョンで確固たる地位を確立しているMobileyeを150億米ドルで買収すると発表し、業界を驚かせた。
Intelの広報は、AI関連のどのような技術や製品をAIPGで扱うことになるのかについて、詳細は明らかにせず、「AIPGはIntelにとって、AI技術の本拠地となる」とコメントするにとどめた。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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