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Intel、3D XPointを用いたSSDを発表375Gバイトで1520ドル

Intelが、不揮発メモリ「3D XPoint」を用いたSSD「Optane SSD DC P4800X」を発表した。

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NVMeを採用する、サーバ向けのSSD

 Intelは2017年3月19日(米国時間)、Micron Technologyと共同開発している不揮発メモリ「3D XPoint」を使ったSSD(Solid State Drive)「Optane SSD DC P4800X(以下、DC P4800X)」を発表した。

 NAND型フラッシュメモリとDRAMの中間として位置付けられる新しい市場を開拓していく上で、幾つかの代替メモリ技術の1つとして、小さいながらも重要な足掛かりを確立できると、Intelは期待しているようだ。

 DC P4800Xは、次世代SSDの接続規格であるNVM Express(NVMe)を採用する、サーバ向けのSSDだ。まずは375Gバイト品を用意する。販売価格は1520米ドルで、同等クラスのNAND型フラッシュメモリカードに比べて約3倍と高額だ。

 読み書き遅延は20マイクロ秒未満で、1日当たりに書き換えられる回数を示すDWPD(Drive Write Per Day)は30回。製品寿命は約3年間とされている。

 Intelは2017年末までに、製品寿命が約5年間の750Gバイトモデルと1.5テラバイトモデルの出荷も開始する予定だとしている。フォームファクタはいずれも、U.2(2.5インチ型)とPCI Expressタイプ(AIC:Add In Card)を用意する。

 SSDは、負荷に応じて、NANDフラッシュストレージの2.5倍〜77倍の性能向上を実現するという。読み出し性能に関しては、NANDフラッシュを用いたSSDを容易に超えられるが、書き込み性能は、バッファを用いるかどうかによって変わるため、同程度にとどまるとしている。


「3D XPoint」を使用したSSDと、NANDフラッシュを使用したSSDの性能を比較したもの(クリックで拡大) 出典:Intel

 当面は、メタデータキー値の検索や、トランザクション処理、ロギング/ジャーナル処理、インメモリデータベースなど、幅広い分野をターゲットとする。Intelは、アプリケーションやOSで、SSDをメインメモリとして扱うことが可能なソフトウェアの販売を予定しており、DRAMの置き換えを加速させていきたい考えだ。

 Intelの広報担当者は、「Optaneコントローラーチップは、7チャンネルをサポートするため、ダイ-チャンネルのローディングで優れた性能を発揮する。最初に提供する予定の375Gバイトモデルでは、1チャンネル当たり4個のメモリダイを使う予定だ」と述べている。

 Intelは、DC P4800Xの売上高予測についてコメントを避けた。ただ、DC P4800Xや、Micronの3D XPointメモリベースのSSD「QuantX」向けの3D XPointを製造すべく、米国ユタ州レヒ(Lehi)に所有する工場を、2017年末までにフル稼働する考えだとしている。

 同工場では現在、1カ月当たりの3D XPointウエハー処理数が、1万枚以下となっている。Micronは2016年8月にQuantxを発表しているが、その仕様や価格、出荷数量などについてはまだ明らかにしていない。ただ、2017年中に出荷開始予定であることだけが分かっている。

 HPE(Hewlett Packard Enterprise)のストレージ部門の経営幹部によると、同社は、Optaneをサーバやフラッシュアレイに搭載する予定だという。このため、2018年に調達する予定のSSD全体に占めるOptaneの割合は、5〜10%に達する見込みだという。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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