マクニカとマウザー業務提携、共同通販サイト開設:試作〜量産を一貫サポート(2/2 ページ)
マクニカとMouser Electronics(マウザー エレクトロニクス)は2017年5月25日、業務提携を結んだと発表した。両社は提携に基づき、量産サポートまでを提供する半導体、電子部品販売Webサイトを共同で運営していく。
600社以上のメーカー製品約400万品種のうち33社の製品で
両社の提携の核となるのが、共同運営するWebサイト「macnica-mouser.jp」だ。同サイトが扱う製品は、Mouserの通販Webサイトと全く同じで、600社以上のメーカー製品約400万品種(うち即時出荷可能な在庫品は約78万品種)。製品は、Mouserの通販Webサイトで購入した場合と同じように、米国テキサス州ダラスにあるMouserの物流拠点から出荷される。ただ、取り扱い製品の中で、マクニカなどマクニカ・富士エレグループが扱う33メーカーの製品に関しては、マクニカがより詳しい技術情報などを提供する他、量産移行時の設計サポートや、品質サポート、量産注文対応まで行う。
「両社で顧客情報を共有するため、ユーザーはこれまでにはなかったシームレスな量産移行サポートが受けられるだろう」(マクニカ)とユーザーメリットを説明する。「量産サポートを受けられるメーカー数は現状33社と少なく思われるかもしれないが、特に技術サポートが必要になるFPGAやマイコン、高性能アナログICを網羅しており、一定以上の価値はある」(マクニカ)とする。
Mouserは今後も従来の通販サイトの日本展開を継続する方針。Mouserの取り扱い製品を販売する日本語通販サイトが2つ存在することになるが、Mouser社長兼CEOのGlenn Smith氏は「どちらで購入するかは顧客にお任せする。両サイトともに積極的にプロモーションを行っていく」とした。
なお、両社はmacnica-mouser.jpでの販売額見込みなどは公表していない。
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