遅延時間は2ミリ秒、ロボットを即時に制御:WTP 2017
ノキアソリューションズ&ネットワークス(以下、ノキア)は、「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)2017」内の併設パビリオン「5G Tokyo Bay Summit 2017」で、第5世代移動通信方式(5G)によるロボットのリアルタイム制御などのデモ展示を行った。
東京エリアで5G実証実験を開始、NTTドコモと連携
ノキアソリューションズ&ネットワークス(以下、ノキア)は、「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)2017」(2017年5月24〜26日、東京ビッグサイト)内に併設されたパビリオン「5G Tokyo Bay Summit 2017」で、第5世代移動通信方式(5G)によるロボットのリアルタイム制御などのデモ展示を行った。
ノキアは、NTTドコモやIntelと連携して、4.5GHz周波数帯を用いたマルチベンダー環境における相互接続の実証実験を東京エリアで始めた。今回のパビリオンにおけるデモはその皮切りとなる。
その1つは、「カメラと連動したロボットのリアルタイム制御」に関する実演デモである。平らな板の中央にボールが置かれている。3台のロボットアームで板の3か所をつかみ、平行を保っている。ボールの位置は上部に取り付けたカメラで常に監視している。
会場では、意図的に板を傾かせ、移動するボールをカメラでとらえて、その画像から板を水平に保つ条件を割り出し、ロボットに対して制御信号を無線で伝送した。デモシステムでは、無線通信を5GとLTEに切り替えて、通信の遅延時間を測定した。そうしたところ、制御信号を出力してロボットが動作するまでの時間は、5Gの2ミリ秒に対してLTEだと40〜90ミリ秒かかることが分かった。リアルタイム制御が求められる産業分野などでも、十分に対応できる特性だという。
もう1つのデモは、ノキア製3D 360度VRカメラ「OZO」で撮影した会場の映像を、5Gでプラットフォームに送信。画像処理などを行った後、ヘッドマウントディスプレイ装置などに送信して視聴するデモである。
このデモでは、同社の商用プラットフォームで上位レイヤーの処理を行う「AirFrame」やベースバンド処理を行う「AirScale」、Intel製の5Gモバイルトライアルプラットフォームなどを用いた。
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