5Gのサービスコンテンツを体感、NTTドコモ:WTP 2017
NTTドコモは、「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)2017」内に併設したパビリオン「5G Tokyo Bay Summit 2017」で、パートナー企業と連携して開発しているサービスコンテンツについて、その一部をデモ展示した。
共同の実証実験進む、5Gトライアルサイトを活用
NTTドコモは、「ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)2017」(2017年5月24~26日、東京ビッグサイト)内に併設したパビリオン「5G Tokyo Bay Summit 2017」で、パートナー企業と連携し、新たなサービス創出につながるさまざまなシステムのデモ展示を行った。「5Gトライアルサイト」を活用した実証実験が本格化する。
NTTドコモは、2020年に第5世代移動通信方式(5G)の商用サービス開始に向けて、実証実験を行う5Gトライアルサイトを用意している。このトライアルサイトを活用して、高速大容量通信、低遅延といった5Gの特長を生かすサービスコンテンツをパートナー企業と開発していくことで、利用者は有用なサービスを事前に体験することが可能となる。
ブースには、5Gの実証実験に必要な機材を搭載した大型のデモバスを持ち込み、会場に設置した8Kカメラで撮影したライブ映像を、5G無線技術で伝送し、大型ディスプレイに表示させるデモなどを行った。特に、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)など自由視点映像技術、製品と組み合わせたデモ展示が目立った。
同パビリオンの中でも、特に来場者の注目を集めていたデモ展示の1つが、NHKと共同実験を行っている「8Kライブ映像の5G無線伝送」である。天井部に取り付けられた8Kカメラで撮影したライブ映像と収録済み8K映像の2系統を、周波数28GHz帯を用いた5G伝送装置で基地局から移動局に送り、2台の8Kディスプレイ装置にそれぞれの映像を表示した。
「実際には8K映像をエンコード処理するために数秒かかっているが、伝送自体の遅延時間は数ミリ秒と小さい。大容量のデータを多くの端末に、低遅延で無線伝送できるのが5Gの強みである」(説明員)と話す。
同パビリオン内には、パートナー企業とそれぞれ取り組んでいる実証実験も紹介した。東武鉄道は、東京スカイツリータウンで2017年5月22日に行った、「世界で初めて」という5G試験電波を用いた8Kライブ映像配信の実証実験について、その模様などを紹介した。フジテレビは、ジオラマ上にAR技術でスポーツ選手などを合成し、投影された映像をヘッドマウントディスプレイ装置などで視聴する「ジオスタ」を紹介。新たなスポーツ観戦の楽しみ方を提案した。
この他、凸版印刷はVRコンテンツなどを用いた体感型観光サービス「ストリートミュージアム」など、ALSOKはNECの協力も得ながら実証している「高度化警備システム」など、コマツは「建設機械の遠隔制御システム」などについて、その概要などを紹介した。
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