ソリューションで勝負、菱電商事が目指す100年:半導体商社トップインタビュー 菱電商事(3/3 ページ)
再編が進み大きく業界地図が塗り変わりつつある半導体業界。半導体を取り扱う半導体商社の経営環境も激変期にある。そこで、EE Times Japanでは各半導体商社の社長にインタビューし、今後の成長や戦略を聞く企画を進めている。今回は、2017年に創業70周年を迎えた菱電商事に聞いた。
「半導体商社の買収はあまり考えていない」
EETJ 2018年までの中期経営計画では、売上高2700億円と営業利益100億円の目標を掲げています。15個の新規事業で、達成までの材料はそろったでしょうか?
正垣氏 ソリューション関連の売り上げは現在、全体の約10%である。まいた種が芽を吹いており、採用事例も増えてきた。中期経営計画の達成は、期待しても良いのではないか。2018年には全体の20%までソリューション関連の売り上げを増やしたい。
EETJ ソリューションは成長していくと思いますが、半導体デバイスの部分はメーカーの経営統合や自然災害など、リスクを抱えているように思います。
正垣氏 2016年4月の熊本地震では当社も被害を受けたが、幅広い基幹事業があることから、為替の変動やメーカーの統合も含めて、そこまでリスクとは思っていない。
EETJ 半導体商社の再編も激しくなる可能性が高いといわれています。他の商社を買収するのか、それともソリューション事業に振り切るのでしょうか。
正垣氏 後者に近い。何かリスクが起こった時では遅いため、ソリューション関連に種をまいてきた。他の半導体商社を買収することは考えていない。ソリューション関連でもベンチャーに出資することはあるが、買収に関してはあまり考えていない。
EETJ 海外展開については、どのように考えていますか?
正垣氏 2013年から海外展開も積極的に進めており、2016年にメキシコが増えて現在19カ所の拠点がある。これまでは半導体デバイスの対応が中心だったが、FAや空調冷熱、ソリューションの展開も進めている。
EETJ あらためて今後の抱負を教えてください。
正垣氏 あと5年で第3クオーターを終えるが、100年企業に向けた次のエンジンとなるよう、ソリューション事業を成長させることに引き続き注力していきたい。
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