Intel、3D NANDとOptaneのメモリ技術に注力:メモリ工場に25億米ドル投資
Intel(インテル)は、メモリ事業において、「3D NAND」と「Optane」の2つの先端不揮発性メモリ技術をベースとしたSSD(Solid State Drive)製品などに注力していく。
Optaneメモリ製品、2017年のクリスマス商戦に期待
Intel(インテル)は2017年6月16日、メモリ事業に関する記者説明会を東京都内で開催した。「3D NAND」と「Optane」の2つの先端不揮発性メモリ技術をベースとしたSSD(Solid State Drive)製品などに注力していく。2017年には関連する3つの工場に合計25億米ドルを投資し、先端不揮発性メモリの製造能力を増強する計画だ。
インテルは成長戦略の中で、ストレージ&メモリ分野を重点事業の1つに掲げている。不揮発性メモリソリューショングループ(NSG)担当副社長兼ストラテジックプランニング、マーケティング、ビジネスデベロップメント担当のビル・レジンスキー氏は、同社がメモリ分野で投資していく領域として、「3D NAND技術とOptane技術」の2つを挙げた。Optane技術は高い性能が必要なホットデータ格納用SSD向け、3D NAND技術は低コストと高密度が求められるウォームデータ格納用SSD向けにそれぞれ用いる。これによって、システムの性能を一段と高めることができるという。
データセンター向け3D NAND SSD製品として、「P4500」「P4600」「P4501」などを用意している。最新の3D NANDフラッシュメモリと新たに開発したコントローラ、独自のファームウェアなどを組み合わせる。記録方式をMLC(Multiple Level Cell)からTLC(Triple Level Cell)へと移行することにより、記憶容量を高めていく。レジンスキー氏は、具体的な製品化の計画はないと前置きし、「1個のメモリセルに4ビットを記憶させるQLC(Quad Level Cell)も技術的には可能である」と述べた。
データセンター向けOptane SSD製品は「P4800X」が第1弾となる。Micronと共同開発した新たな不揮発性メモリ「3D Xpoint」や、独自のメモリコントローラ、ストレージコントローラ、インターコネクトIPそしてソフトウェアなどを組み合わせた製品だ。
また、3D Xpointを採用したコンスーマー機器向けの「Optaneメモリ」も用意している。記憶容量は16Gバイト品と32Gバイト品がある。規格サイズM.2 2280に対応し、インタフェースとしてPCIe 3.0×2を備えている。PCやゲーム機器などで大容量HDDと組み合わせて用いることで、Webブラウザの立ち上げやファイル検索などを高速に実行できるという。
レジンスキー氏は、「2017年のクリスマス商戦に向けて、Optaneメモリの需要は拡大する。当初は16Gバイト品が中心となる」と話す。さらに、「サーバ向けにOptaneメモリ搭載のDIMMも開発中」であることも明らかにした。
メモリ事業を拡大していくために、設備投資も積極的に展開していく方針だ。製造拠点は米国「IMFT Fab 2」、「Intel Fab 68」(中国)、「Micron Fab 10」が対象となる。レジンスキー氏は、「IMFTのFab 2では現在、2D NANDフラッシュメモリを量産中だが、2018年までに生産品目をOptaneメモリに切り替えていく。IntelのFab 68とMicronのFab 10は、すでに3D NANDフラッシュメモリを生産中で、その能力をさらに拡大していく」と話した。
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