Intel、CPU+FPGAなど打ち出し自動運転攻略へ:取り組み状況を説明
Intel(インテル)は2017年6月22日、自動車分野に向けた取り組み状況に関するメディア向け説明会を開催した。
「データセンターで培った経験、ノウハウが生かせる」
自動車は、車輪の付いたデータセンターになっていく。データセンターで培った経験、ノウハウが生かせる。
2017年6月22日、Intelの日本法人であるインテルが都内で自動車分野に向けた取り組み状況に関するメディア向け説明会を実施し、自動車分野に向けて積極的な投資を継続し、事業を拡大させていく姿勢を打ち出した。
インテル社長の江田麻季子氏は、「自動運転領域は、Intelの5つの注力分野の1つ」と、Intelにおける自動車、自動運転向け事業の位置付けを説明する。Intelは現在、PC向けに主軸を置いたビジネスから、クラウドやネット対応端末に対し製品、サービスを提供するビジネスへの転換を急ぐ。そこでIntelは、高性能なコンピューティング製品でクラウド、データセンターの処理性能を高め、そこにつながる端末にも接続性、高い性能を提供しさらにデータを多く生みだし、クラウド、データセンターの処理要求を高め、そこに製品を提供するという「成長に向けた戦略的サイクル」を掲げ、プロセッサに加え、メモリや買収したAltera(Intel プログラマブル・ソリューションズ事業本部)のFPGAといった製品で「戦略的サイクルを加速させる」(江田氏)という成長を図っている。自動車、自動運転領域についても、この戦略的サイクルを適用し、ビジネスの拡大を狙う。
「車両」「ネットワーク」「クラウド」に対して
Intelは自動運転システムを構成する「車両」「ネットワーク」「クラウド」という3つの要素に対して製品、サービスを展開する「Intel GO 自動運転プラットフォーム」を構築。包括的に自動運転の実現をサポートできる体制を整えているとする。
クラウドについては、既にプロセッサ「Xeon」などで高い実績を誇り、ここにFPGAを加え、今後需要の拡大するAI(人工知能)、ディープラーニング処理向けでのビジネス拡大を狙う。ディープラーニング処理では、GPGPUなどと競合することになるが「FPGAは消費電力性能に優れる利点がある。加えて、Intelは、高性能なCPUとFPGAを一気通貫で提供できる唯一のメーカー」(日本アルテラ社長 和島正幸氏)とし、他のデバイスやメーカーよりも優位にある点を強調した。
ネットワークについても、プロセッサやFPGAの展開に加え、自動運転が本格化する2020年ごろの実用化が予定されている5G(第5世代移動通信)対応モデム、ベースバンドLSIの提供でビジネスを拡大させる。5Gモデム、ベースバンドの開発についても「他社に先行し、2017年末にはサンプルチップを提供できるだろう」(インテル執行役員Automotive担当 大野誠氏)する。
「ここ10年あまりの取り組みで、インフォテインメント領域を中心に30車種以上での採用された」とし、徐々に実績を残している車両向けにもCPUとFPGAを組み合わせた提案などを行う。「これまで、自動車で新たな機能を追加するとECU(電子制御ユニット)の搭載数が増えた。しかし、これからは仮想化技術などを応用しECUは統合されていく。この動きは、データセンターと同じ流れ。自動車は、車輪の付いたデータセンターになっていく。データセンターで培った経験、ノウハウが生かせる」(大野氏)とクラウド、データセンター領域でのIntelの優位性が車両領域でも発揮できるとの自信を示した。
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