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反強磁性体で巨大な異常ネルンスト効果を発見磁性体で熱電変換を可能に(2/2 ページ)

東京大学らの研究グループは、反強磁性体マンガン合金で、自発的な巨大熱起電力効果が現れることを発見した。素子構造が比較的単純で、集積化により高出力を実現することも可能となる。

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集積化が容易なため、高い電圧の出力も可能

 非磁性の半導体素子を用いた現行の熱発電素子は、ゼーベック効果で温度差と同方向に起電力が生じる。反強磁性体Mn3Snを用いた今回の熱発電素子は、温度差と磁化と電位差が全て垂直に取り出せる(ネルンスト効果)ため、モジュールを薄いシート状の構造とすることができる。しかも、集積化が容易なため、従来に比べて高い電圧を出力することが可能である。


従来の熱発電素子(ゼーベック効果)と今回の熱発電素子(ネルンスト効果)の違い 出典:東京大学、理化学研究所、JST

 今回用いた金属磁性材料は、廉価で無害な上、加工性にも優れている。塗料や印刷技術と組み合わせることで、凹凸のある面にも柔軟に対応できるシートを作成することが可能だという。

 研究グループは今後、Mn3Sn以外の類似物質探索や、自発的異常ネルンスト効果の機構解明などに取り組む予定である。

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