ディスコ、長野事業所・茅野工場を新たに開設:製造設備と人員を増強
ディスコは、長野県茅野市に長野事業所・茅野工場を新設することを決めた。ダイシングソーの生産能力を増強する。これに伴い、新たに約550人を採用していく予定である。
広島・呉地区に加え、長野・茅野にも製造拠点
ディスコは2017年7月、長野県茅野市に長野事業所・茅野工場を新たに開設すると発表した。開設は2018年4月1日の予定。新工場が本格稼働すれば、マニュアルダイサーの生産能力は約1.5倍に増強される。
IoTや自動車、医療分野などに向けた半導体デバイスの用途拡大により、半導体製造装置の需要も拡大が見込まれている。同社は、広島県呉市にある広島事業所・桑畑工場で製造棟の拡張工事を行っているが、ここでは主に、精密加工ツールの増産を予定している。このため、半導体製造装置についても将来の需要増に対応できる製造スペースを確保しておく必要があった。
また、同社の製造拠点である桑畑工場と呉工場の2工場が、呉市に集中している。このため、災害などからのリスクを分散する狙いもあり、長野事業所・茅野工場を新たに開設することにした。
新設の長野事業所・茅野工場は、現有のディスコ茅野工場を社屋とする。現在はこの工場を同社の子会社であるダイイチコンポーネンツが使用しており、ディスコ向けに半導体製造装置用の主要部品や周辺機器を製造中である。これらの製品は、ディスコ長野事業所・茅野工場で引き続き製造されることになる。これとは別に、ダイシングソーの一部機種についても、同工場で新たに製造を始める予定だ。
ディスコによれば、「長野事業所・茅野工場が稼働すると、マニュアルダイサーの生産能力は、現行の桑畑工場分と合わせ、約1.5倍になる」と見込む。なお、長野事業所・茅野工場は、製造ラインの本格稼働に合わせて、新たに従業員550人の採用を順次、行っていく予定である。
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