ルネサス、監視カメラ向けイメージセンサー参入:一般拡販をスタート
ルネサス エレクトロニクスが、これまでは特定顧客向けに販売していたCMOSイメージセンサー製品の一般向け販売を開始する。一般販売を行うのは、既に量産中の212万画素CMOSイメージセンサーと、848万画素CMOSイメージセンサーである。
4K、60fps対応の848万画素CMOSイメージセンサーを製品化
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2017年8月30日、CMOSイメージセンサー製品の一般向け販売を開始すると発表した。従来、特定顧客向けに販売していた製品の一般販売を開始するとともに、ハイエンドネットワーク監視カメラ用途に特化した848万画素CMOSイメージセンサーを開発し2017年8月からサンプル出荷を開始する。
ルネサスは、高級デジタルカメラなどに向けたハイエンドCMOSイメージセンサーの開発、販売を行ってきたが、これまで販売先は特定顧客に限ってきた。今回の発表は、販売領域を特定顧客以外にも広げるというもの。
一般販売を行うのは、既に量産中の212万画素CMOSイメージセンサーと、同日サンプル出荷を開始した848万画素CMOSイメージセンサー「RAA462113FYL」の2製品。いずれも、ハイエンドのネットワーク監視カメラ用途に向ける。
裏面照射構造を採用
新製品となるRAA462113FYLは裏面照射構造画素を用い、イメージサイズ1/1.9インチ、有効画素数3782×2192画素。4K解像度の画像を60フレーム/秒(fps)で出力でき「電子ズームを行っても視認性のよい画像を撮像できる」(ルネサス)とする。
明暗差のあるシーンでも動画撮影が行えるよう、1ラインごとに長秒露光データと短秒露光データを別個に出力するLine by Line HDR(High Dynamic Range)モードをサポートしている。他に、「月明り環境下でも視認性の高いフルカラー画像を実現する」(同社)という低照度性能などの特長を備える。
ルネサスでは、カメラモジュールメーカーと共同で、RAA462113FYLを搭載した性能評価用ボードを用意。「オートフォーカス機能、HDR機能、広域監視機能、手振れ補正機能などさまざまな機能を実現するカメラモジュールを順次提供していく」ともしている。
なお、RAA462113FYLの量産時期は2017年12月を予定。製造は、外部委託先で実施するという。
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