CMOS/CCDカメラ市場、2020年に52億台超:スマホ、車載など用途が拡大
CMOS/CCDカメラの世界市場は、2020年には52億台を上回る見通しだ。その用途はスマートフォンに加え、車載向けなど産業分野にも市場が広がる。
スマホが需要をけん引、車載向けなど産業分野にも期待
矢野経済研究所は2017年9月、CMOS/CCDカメラの世界市場に関する調査結果を発表した。出荷台数は2016年に40億5000万台となった。2020年には52億台を上回ると予測する。
CMOS/CCDカメラは、デジタルカメラや携帯電話などの用途向けに1990年代から市場が拡大した。2010年ごろからスマートフォンへの移行が進み、その動きに弾みをつけた。産業分野でも監視やモニタリングの用途で需要が広がっている。
この結果、CMOS/CCDカメラの出荷台数は、2016年に40億5000万台となった。前年実績に比べて9.8%の増加である。内訳はCMOSカメラが40億600万台で、全体のほぼ99%を占めた。CCDカメラは4400万台となった。
今後もCMOS/CCDカメラ市場は堅調に拡大を続ける見通しである。2009年から2020年までの年平均成長率(CAGR)は12.8%と推測、2020年には52億2000万台に達すると予測する。
2016年の出荷台数を応用機器およびシステム別にも調査した。この結果、スマートフォン向けが28億5692万台で、全体の70.5%を占めた。タブレットPC向けは3億6925万台で、その比率は9.1%、フィーチャフォン向けは2億9301万台で、比率は7.2%となった。これに対して産業分野では、車載向けが4783万台で1.2%、監視やモニタリング向けが3020万台で0.7%と続く。
需要分野とその用途などについても調べた。この結果から、CMOS/CCDカメラの機能/役割が、これまでの「目視」から「画像処理」へと変化していることが分かったという。ホームビデオやデジカメ、フィーチャフォンなどに向けた出荷台数はマイナス成長に転じた。画像処理に向けた需要は出荷台数こそまだ少ないものの、堅調に増加している。特に今後は、監視やモニタリング、個人認証、マシンビジョン、医療/福祉、車載などの画像処理向けが注目されている。
今回の調査は、2017年4〜7月に実施した。カメラメーカーやカメラ応用画像システム/機器メーカーなどに対して、直接面談や電話、電子メールでのヒアリングなどを行い、「2017年度版(CMOS/CCDカメラ応用)画像システム・機器の需要予測」としてまとめた。
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