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“第7の感覚器官”実現を目指す村田製作所の挑戦第六感をデジタル化

村田製作所は2017年9月27日、雰囲気や親密度など説明が付きにくい情報をデジタル化、可視化することを目指す仮想センサープラットフォーム「NAONA」の実証実験を開始したことを発表。2017年10月3〜6日に開催されている展示会「CEATEC JAPAN 2017」で、NAONAのコンセプトデモを披露した。

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空間にセンサーをちりばめ、クラウドで処理

 村田製作所は2017年10月3〜6日に開催されている展示会「CEATEC JAPAN 2017」で、同年9月27日に実証実験を開始したと発表した仮想センサープラットフォーム「NAONA」のコンセプト展示を実施している。

 NAONAは、場の雰囲気や盛り上がり、人間同士の親密度など、これまでデジタル化できていない情報を空間情報としてセンシングし、可視化したデータとして提供することを目指す仮想センサープラットフォーム。言い換えれば、第六感と呼ばれる五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)では説明が付かない感覚をセンシングしようという試みだ。同社技術・事業開発本部IoTプロジェクト推進室IoTプロジェクト推進1課マネージャーの笹野晋平氏は「“空気を読む”というような人間の第六感はアナログで説明が付かない。NAONAは、第六感をデジタル化、可視化し、第六感を超えた“第七感”、“第7の感覚器官”を目指している」と語る。

 では、第六感で感じる説明の付かない情報をどのようにしてセンシングするのだろうか。

 笹野氏は「さまざまな物理センサーデバイスから多様なデータを取得し、クラウドで処理し、可視化する」という。


仮想センサープラットフォーム「NAONA」の構成イメージ 出典:村田製作所

 ただ、データを取得するセンサーは「カメラなど高価で、データが重くなるセンサーは使わない。また、人にストレスを与えるウエアラブルセンサーも使用しない」とする。あくまで、空間にセンサーをちりばめて、まさに“空気を読む”ことで、第六感のデジタル化、可視化を行うという考え。笹野氏は「Internet of Space(IoS)、空間のインターネット化」とNAONAのコンセプトを説明する。

 CEATECの村田製作所ブースでは、NAONAのコンセプト展示として、ブースのどこが落ち着いているか、盛り上がっているかという分布を示す“雰囲気”を可視化するデモを実施した。デモで使用するセンサーはマイクの一種のみだが「NAONAクラウドは、単純に音の大きさだけで判断しているのではなく、音の周波数などマイクから得られるさまざまなデータの特徴点を抽出し処理することで雰囲気を割り出し、可視化している」とした。


村田製作所ブース内に配置したマイクからさまざまなデータを取得、クラウド処理し、ブース内の雰囲気をリアルタイムで可視化した (クリックで拡大)

 笹野氏は「これまで村田製作所はさまざまなセンサーを提供してきたが、単にハードウェアの提供にとどまらず、センサー、データを組み合わせ、空間に存在するヒトやモノの関係性を可視化するクラウドプラットフォームとして提供するビジネスを目指す。今後、さまざまな実証実験などを行い、デジタル化できていない親密度などさまざまな情報を可視化していきたい」としている。

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