きめ細かなサポートで、Maxim製品の展開広げる:マキシム・ジャパン 社長 山崎眞一郎氏(2/2 ページ)
Maxim Integratedの日本法人マキシム・ジャパンの社長を務める山崎眞一郎氏に、事業方針などについてインタビューした。山崎氏は、よりきめ細かなサポートをできる体制を整えることで、顧客やアプリケーションの幅を広げて事業拡大を目指すとする。
2次代理店へのトレーニング開始
EETJ 代理店を含めたサポート体制はどのように強化されていく方針ですか。
山崎氏 代理店のサポート強化策の一環として、2017年9月から、2次代理店に対し、Maxim製品サポートに関するトレーニングをスタートさせた。これまで、こうしたトレーニングは1次代理店を対象に実施し、2次代理店には1次代理店がトレーニングを実施していた。半導体メーカーが直接、2次代理店をトレーニングするケースはまれだが、その成果は必ず生まれてくるだろう。現状、代理店からの反応もポジティブだ。
加えて、2017年11月には、伯東と代理店契約を締結した。日本の半導体市場では代理店との協業が不可欠であり、代理店ネットワークを強化し、きめの細かいサポートを提供する。
EETJ Web活用については?
山崎氏 Webについては、代表就任前から、他社製品も含めてデバイスを選定できる検索機能“スマートサーチ”などをスタートさせるなど、グローバルでの強化を進めている。もちろん日本法人としても、Webコンテンツの日本語化を積極的に進めている。こうした取り組みを引き続き、強化していく。
EETJ 近年、マキシムジャパンとしては、自動車向けビジネスの規模を急拡大させてきました。今後の自動車向けビジネスの強化方針を教えてください。
山崎氏 自動車向けビジネスは、インフォテインメント向けからビジネスを立ち上げ、現在、セーフティ、ADAS(先進運転支援システム)向けなどへと領域を拡大している。今後も、領域を拡大させていく。
注力していく領域の1つが、車外の情報を取り込み、処理していくというところ。高画質化が進むカメラ映像の取り込みには、高速、広帯域で、ノイズに強い通信が求められている。それに対し、Maximのギガビットマルチメディアシリアルリンク(GMSL) SerDes ICは、競合の一歩先を行く技術、製品となっており、良い評価を得ている。こうした一歩先の技術、製品で自動車市場でのビジネス領域を広げていく。
一歩先行く製品で差異化
EETJ 自動車向け半導体市場は、各社の参入が相次ぎ、競争が激しくなっています。
山崎氏 競争が激しくなり、コモディティ化が進んでいる領域もある。Maximは単純な価格競争の領域は避けてビジネスしていく方針であり、そういった意味でも一歩先行く製品の提供が大切だと考えている。
ただ、コモディティ化が進んだ部分の全てを避けるわけではなく、例えば、コモディティと言えるRS485のトランシーバーについては、ノイズ耐性が高いなど競合と明確な差異化要素を持っている。こうした領域については強化を継続する。
EETJ 通信機器向け、民生機器向けビジネスについては、どのように取り組んでいきますか。
山崎氏 日本の通信機器市場規模は海外に比べて小さいものの、しっかりとフォーカスを絞り、特定顧客に対するビジネスを強化する。民生機器についても、付加価値の高い部分に絞り込み、Maximの主力製品であるインタフェースIC、電源ICの展開を進めていく。
EETJ 今後の抱負をお聞かせください。
山崎氏 米国本社も日本市場の重要性を理解しており、新製品に日本の顧客の要望が取り入れられやすい環境も整っている。ただ、ブロードを中心に、まだまだビジネスの取りこぼしがある。サポート品質を高めて、日本での事業規模を拡大させていく。
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