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「Nintendo Switch」を分解:製品分解
モバイル機器の修理マニュアルを提供するiFixitが、2017年3月3日に発売されたばかりの「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」を早速分解した。
4年ぶりの据え置き型ゲーム機
任天堂が2017年3月3日に発売したゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ、以下Switch)」。据え置き型としては「Wii U」以来、約4年ぶりとなるスイッチは、発売前から話題が多かった製品だ。
その注目の製品を、iFixitが早々に分解している(速すぎる)ので、主要な写真とともに中身を紹介していきたい。分解の詳細は、iFixitのこちらのページで閲覧できる。
下の図は、開封してリチウムイオンバッテリー(電池の容量は16Whのようだ)を取り除き、冷却システムを分解しているところである。iFixitの分解によれば、冷却用のファンには台湾Delta Electronics(デルタ電子)の製品が採用されているという。
次はメインボードだ。主に、以下のような部品を搭載している。
- 赤:NVIDIAのチップ「ODNX02-A2」(「Tegra X1」ベースのSoCではないかと、iFixitは推測している)
- オレンジ:Samsung Electronicsの2GB LPDDR4 DRAM
- 黄色:Broadcomの通信チップ「BCM4356」(Wi-FiおよびBluetooth 4.1に対応したチップ)
- 緑:Maxim Integratedの3相降圧レギュレーター「MAX77621AEWI+T」
- 水色:「M92T36 630380」と刻印されたチップ
その他、ボードの裏側には、以下のようなチップを搭載している。
- Pericom SemiconductorのUSB 3.0/DP1.2対応マトリックススイッチ「PI3USB30532」
- Realtekのオーディオコーデック「ALC5639」
- Maxim Integratedの電源管理IC「MAX77620AEWJ+T」
下は、Switchのコントローラー「Joy-Con(ジョイコン)」を分解した様子だ。ジョイコンは、IRカメラとIR LED、NFC(近距離無線通信)アンテナなどから構成されている。Broadcomの2.4GHz帯通信向けトランシーバーICや、STMicroelectronicsのNFCリーダーICが搭載されているようだ。
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