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低抵抗シャント抵抗器、5〜220mΩ製品を追加:車載システムや産業機器向け
ロームは、車載システムや産業機器、大型家電製品における電流検出用途に向けた低抵抗シャント抵抗器「GMR100シリーズ」の量産を始めた。
高電力で小型、高い放熱性と信頼性を実現
ロームは2017年11月、小型で高電力の低抵抗シャント抵抗器「GMR100シリーズ」を開発、量産を始めたと発表した。車載システムや産業機器、大型家電製品における電流検出用途に向ける。
GMR100シリーズは、抵抗値範囲が5〜220mΩである。独自の材料と構造を採用することで、表面温度を大幅に低減している。例えば、10mΩ製品を3Wで用いた場合、表面温度は100℃となる。従来製品だと181℃に達することもあるという。新製品は表面温度の上昇を45%も低減することが可能となった。このため、過電流負荷時においても、抵抗値が変化することなく、性能は安定している。
また、抵抗体金属には高機能合金材料を採用した。低抵抗領域においても優れた抵抗温度計数(TCR)を達成しており、熱に左右されることなく精度の高い電流検出を可能とした。
GMR100シリーズは6432(6.4×3.2mm)サイズのパッケージで供給する。高さは0.4mmと一般製品に比べてほぼ半分に抑えている。このため、低背が要求される高密度実装基板への搭載も容易となった。サンプル価格(税別)は150円。既に月産100万個体制で量産を始めた。2017年11月より、チップワンストップやザイコストア(コアスタッフ)、アールエスコンポーネンツがインターネット販売を開始、3社のウェブサイトからも購入することができる。
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