高密度配線/接続に対応、RF試験用ケーブル:小口径、軽量、柔軟で操作性向上
日本ゴアは、「マイクロウェーブ展 2017」で、5G(第5世代移動通信)システムの試験などに適した接続用マイクロウェーブ/RFテストアセンブリ製品「ゴアPHASEFLEX」を展示した。
ケーブルが曲がったり、もつれたりしても大丈夫
日本ゴアは、「マイクロウェーブ展 2017」(2017年11月29日〜12月1日、パシフィコ横浜)において、5G(第5世代移動通信)システムの試験などに適した接続用マイクロウェーブ/RFテストアセンブリ製品「ゴアPHASEFLEX」のデモ展示を行った。
ゴアPHASEFLEXは、マイクロ波など高周波帯を用いた通信モジュールと測定機器の接続などに適したケーブル製品である。最大周波数110GHzまで対応する製品を用意している。ケーブルは中心導体(銅)を独自のePTFE誘電体や電気遮蔽(しゃへい)材、耐圧部材などで被膜をする構造とした。
独自の材料技術により、ケーブルが曲がったり、ねじれたり、もつれたりした状態で信号を伝送しても、ケーブルによる位相や振幅のずれが極めて小さい。特に、「20GHzを超える周波数帯域では、競合他社製品との性能差が明確になる」(説明員)と話す。最小曲げ範囲が約12.7mmの製品まで用意している。また、他社製品は屈曲を最大300回繰り返すと特性が劣化するのに対して、同社製品は1万回繰り返しても特性が劣化しないなど耐久性にも優れているという。
ブースでは、被測定物(DUT)と測定器を接続したケーブルを、U字状、L字状に曲げて使用しても、電気特性が安定し再現性の高い測定が行えることを実演デモで示した。
新たなゴアPHASEFLEX製品として「0N」タイプも展示した。高密度配線、高密度接続の要求に応えたもので、従来製品に比べてケーブル製品の軽量化や小口径化、高い柔軟性を実現するなど、接続作業性も含めて使いやすさをさらに向上させた。
0Nタイプは最大周波数が18GHz、26.5GHz、40GHz、50GHzの4製品を用意している。挿入損失の代表値はそれぞれ2.0dB、2.52dB、3.21dB、3.67dBである。外径は5.3mm、最小屈曲半径は25.4mmとなっている。
0Nタイプはこれ以外にも、ケーブル長やコネクターの標準化などにより、コストダウンを実現している。例えば、ケーブル長は0.3m、0.61m、0.91m、1.00m、1.22m、1.52m、2.00mの7種類、コネクターも基本的な仕様、形状を用意した。従来の製品は顧客の仕様、用途に応じてゲーブル長やコネクターをカスタマイズして販売していたという。
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