走行列車での5Gハンドオーバーに成功:SamsungとKDDI
Samsung Electronics(サムスン電子)とKDDIは2017年12月1日、時速約100kmで走行する列車での第5世代移動通信(5G)システムのハンドオーバー実験に成功したと発表した。
埼玉県内の約1.5km線路区間で、最大1.7Gbps通信
Samsung Electronics(サムスン電子)とKDDIは2017年12月1日、時速約100kmで走行する列車での第5世代移動通信(5G)システムのハンドオーバー実験に成功したと発表した。走行列車での5G通信サービスを用いたハンドオーバー実験の成功は「世界初」(Samsung)としている。
両社の実証実験は2017年10月17〜19日の日程で、埼玉県内の約1.5kmの線路区間で実施された。実験には、Samsung製の5G端末、5G基地局、仮想化RAN(Radio Access Network)、仮想化Coreを使用。5G端末は列車内に設置し、8K解像度のUHDビデオのダウンロードを行った他、列車に設置したカメラの映像(4K解像度のUHDビデオ)のアップロードも実施した。その結果、下りおよび、上りデータ通信中のハンドオーバーに成功し、最大通信速度1.7Gビット/秒(bps)を達成したとする。
Samsungは、「超高速、低遅延、大規模な接続といった特長を有する5Gを用いて、走行列車におけるさまざまな鉄道サービスへの適用可能性を確認した世界で初めての実験」と今回の実証実験の成果を位置付けている。
SamsungとKDDIの両社は2015年から継続的に、5Gの実証を共同で実施。2017年2月には、東京都内の高速道路で走行する車両に搭載した端末を使用し、複数基地局間のハンドオーバー実験を実施。2017年9月にも、韓国・龍仁(ヨンイン)市の「Eveland SPEED WAY」で時速200km以上で走行する車両に設置した端末を使用した高速移動実験を行い、いずれも成功している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Qualcomm、5Gモデムチップでデータ接続に成功
Qualcommは、同社の5Gモデムチップセット「Snapdragon X50」を使い、5Gデータ接続のデモに成功したと発表した。 - 国内キャリア、5G向け実証実験を相次いで披露
日本の大手キャリアであるKDDIとソフトバンクが、2017年9月に5G(第5世代移動通信)に関する実証実験の成果を相次いで発表した。 - ソフトバンクとノキア、MU-MIMOを用いて5Gの実証へ
ソフトバンクとノキアは、マルチユーザーMIMO(MU-MIMO)を活用した5G(第5世代移動通信)の実証実験を行う。4.5GHz帯を利用するという。 - 最初の照準は東京五輪、5G開発を加速する日本勢
本連載では、5G(第5世代移動通信)の開発が進んでいる5つの国/地域に焦点を当て、その最前線をノキアの視点でお届けする。第2回となる今回は日本を取り上げる。2020年の東京オリンピックを控え、5Gの商用化に向けた議論が加速してきている。 - 5Gの聞きにくい事を聞く
第5世代移動通信(5G)に関して、少し聞きにくい事も含めて10個の質問を業界関係者に投げ掛けてみた。 - ポスト・スマホカメラの世界 〜 5Gで花開くセンサー市場&イメージング市場戦略
今回は、センサー、特にカメラ、イメージング市場の展望を取り上げる。カメラ市場は、デジタルスチルカメラなどを押しのけ、スマートフォン中心の市場となった。しかし、そのスマートフォンも成長が鈍化しており、成長の期待は車載カメラと産業用カメラへと移っていくだろう。