Samsung、10nmクラスの8Gb DDR4 DRAMを量産開始:データ転送速度は3600Mbps
Samsung Electronicsが、10nmクラスのプロセスを採用した第2世代の8GビットDDR4 DRAMの量産を開始したと発表した。
10nmクラスのプロセスを採用した8GビットDDR4 DRAM
Samsung Electronicsは2017年12月20日(韓国時間)、10nmクラス(10〜19nm)のプロセスを採用した8GビットのDDR4 DRAMの量産を開始したと発表した。第2世代品となる同チップは、最大3600Mビット/秒(bps)のデータ転送速度を実現するとしている。さらに、EUV(極端紫外線)リソグラフィーを使用することなく生産できるとする。
Samsungのメモリ事業部門でプレジデントを務めるGyoyoung Jin氏は、報道発表資料を通じて、DRAM回路設計の新たな技術とプロセス技術によって、「DRAMの拡張性を妨げる大きな障壁を乗り越えることができた」と述べた。市場で高まる需要を満たすため、Samsungは第2世代の10nmクラスのDRAMの生産能力を早急に増強すると共に、同チップの第1世代品の生産も積極的に拡張していく方針だという。
DRAM市場は、需要の高まりが供給を上回り、価格上昇が続いたことから、2017年を通じて堅調だった。市場調査会社のIC Insightsによると、2017年のDRAM市場の成長率は、1994年以降で最も大きい74%に達する見込みだという。
Samsungは、7nmプロセスのロジックチップの生産において、EUVへの移行を2018年に開始する計画だが、EUV技術がDRAMの生産に導入される時期については明らかにしていない。DRAMセルは比較的単純な構造を持つことから、一般的には、EUVが必要になるのは他の種類のデバイスよりも後になると認識されている。
Samsungは、「セルデータをより正確に保持するデータ感知システムや、独自のエアスペーサー構造など、高度な技術を導入することで、第1世代品を上回る転送速度や性能、効率を備えた第2世代品を生産できる」と主張する。
Samsungによれば、高感度なデータ感知システムにより、データの正確な保持の他、回路統合のレベルや生産性が向上するという。さらに、エアスペーサーをビット線の周囲に設けることで、寄生容量を大幅に低減でき、微細化と、高速なセル動作を実現できるとする。
10nmクラスの8GビットのDDR4 DRAMでは、第1世代品に比べ生産性が約30%、性能が15%、効率が10%、それぞれ向上したという。ピンごとの転送速度については、第1世代品が3200Mbpsだったのに対し、第2世代品では3600Mbpsとなっている。なお、第1世代品は2016年から量産に入っている。
第2世代品のDRAMに用いられた上記の技術によって、Samsungは、DDR5、HBM3、LPDDR5、GDDR6といった次世代のDRAMチップをいち早く導入する計画を促進できるようになったという。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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