ドローン向け低バイアスMEMSセンサー、Boschが展示:CES 2018
Bosch Sensortecが「CES 2018」(2018年1月9〜12日、米国ネバダ州ラスベガス)で、最新のMEMSセンサーを展示する。「BMI088」は、16ビット3軸加速度センサーおよびジャイロセンサーを搭載した慣性計測ユニット(IMU)で、ドローンなどをターゲットにしている。
新型MEMSセンサーを展示
ドイツのBosch Sensortecは、現地時間で2018年1月9日から米国ネバダ州ラスベガスで開催される「CES 2018」で、新しいMEMSセンサーを展示する。既存の「BML050」などのMEMSセンサーに加え、新しいIMU(慣性計測ユニット)「BMI088」や、加速度センサー「BMA400」を披露するという。BMI088は、ドローンやロボティクスアプリケーション向け、BMA400はウェアラブル機器向けとなっている。
Bosch SensortecのCEO(最高経営責任者)兼ゼネラルマネジャーを務めるStefan Finkbeiner氏は、CES 2018の開幕に先立ち、米国EE Timesに対して「BMA400は、競合他社の加速度センサーに比べて約10分の1の消費電力を実現している」と述べている。
BMI088は16ビット3軸加速度センサーと16ビット3軸ジャイロセンサーで構成される。Finkbeiner氏は「16ビットの分解能を備え、バイアス安定性も2°/h未満と高い。長時間にわたり変動が少ないということだ」と説明した。
ドローンの飛行の振動による変動(ドリフト)は、ドローンを操作する上で懸念事項の1つである。バイアス安定性の高いBMI088のようなセンサーを搭載しなければ、コントロールが難しくなり、衝突などの事故が発生してしまう可能性もある。
BMI088は、2018年5月に販売を開始する予定だ。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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