AMD、GPU/CPUの新ロードマップを発表:12nm CPUや7nm GPU含め
AMDは「CES 2018」のプレスカンファレンスにおいて、CPUとGPUのロードマップを発表。12nmプロセスCPUと7nmプロセスGPUの計画の詳細を明らかにした。
GPUおよびCPUのロードマップ
AMDは、「CES 2018」(2018年1月9〜12日、米国ネバダ州ラスベガス)のプレスカンファレンスにおいて、x86プロセッサおよびグラフィックス関連の新しいロードマップを発表。12nmプロセスCPUと7nmプロセスGPUに関する計画の詳細を初めて明らかにした。また、幅広い種類のデスクトップPCやノートPCをターゲットとするグラフィックスを搭載した、6品種のx86チップも発表している。
AMDは2017年に、14nmプロセスを適用したデスクトップPC向けCPU「Ryzen」を発表しているが、現在はその12nmプロセス適用版のサンプル出荷を開始しているという。今後、GLOBALFOUNDRIESが2017年に開発した新しいプロセス技術を適用することにより、2018年4月には量産を開始できる見込みだとしている。また、「Ryzen 2」の設計も完了しているようだが、その内部構造や出荷開始時期などについては詳細を明かしていない。
AMDにとって初となる7nmプロセスGPUは、機械学習(マシンラーニング)をターゲットとした、同社の「Vega」製品シリーズの1つになるようだ。同社は現在、GPU市場のライバル企業であるNVIDIAに対し、後れを取り戻そうと必死になっている。NVIDIAは2017年に、機械学習向け専用ハードウェアを搭載した業界初となるGPU「Volta」を発表して以来、この新しい市場において優勢を維持している。
AMDは、7nmプロセスGPUの製造を、これまでGPU用ファウンドリーとして利用してきたTSMCに発注するとみられているが、詳細はまだ不明だ。2018年には、超薄型ノートPC向けのVegaシリーズも発表する予定だとしている。
また、AMDは2018年2月半ばに、同社にとって初となる、Vega GPUコアと4つのx86コア「Zen」を搭載した、2種類のデスクトップ向けプロセッサの製造を開始する予定だという。動作周波数は3.7〜3.9GHz、消費電力量は45〜65W。解像度が1080pのため、専用のグラフィックスカードを使用せずに、ゲーム向けとして利用することも可能だ。
さらに、AMDは2018年6月までに、Vega GPUコアと4つのx86 Zenコアとを組み合わせた、3種類のハイエンドノートPC向けプロセッサの製造を開始できる予定だとしている。最大動作周波集が3.4〜3.8GHz、消費電力量は15Wだ。Intelの「Core i7-7500U」および「Core i7-8500U」と比べて、グラフィックス性能を25〜50%高められる見込みだという。
AMDは最後に、ZenとVegaコアとを組み合わせた、ノートPC向けチップファミリーとして、ローエンド製品を1品種追加したことを発表した。
米国の市場調査会社であるInsight 64でプリンシパルを務めるNathan Brookwood氏は、「AMDが『APU(Accelerated Processing Unit)』と呼ぶ、CPUとGPUを統合した製品の出荷を開始することは、同社にとって非常に重要な鍵となる。2017年に出荷されたRyzen製品の大半は、x86 CPUだけを搭載したチップだったため、システム専用のグラフィックスカードを使用しなければならなかった」と述べている。
PC市場において最大のシェアを獲得しているのは、グラフィックス搭載ノートPCだ。その次に、グラフィックス搭載のデスクトップが続く。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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