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AMDが「Ryzen」ファミリーを拡充、Intelに対抗「Core」ファミリーを意識

AMDは、デスクトップ向けx86 CPU「Ryzen」ファミリーのラインアップを拡充する。「Ryzen 7/5/3」がそろうことになり、Intelの「iCore i7/i5/i3」ファミリーに対抗した製品群をそろえるとみられる。

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Intelの「Core」に対抗

 AMDは、デスクトップ向けx86 CPU「Ryzen」ファミリーのポートフォリオを拡充する計画を発表した。既に発売しているハイエンドプロセッサ「Ryzen 7」に続いて、「Ryzen 5」と「Ryzen 3」を投入する。Intelの「iCore i7/i5/i3」ファミリーに対抗した名称だと考えられる。

 フラグシップモデルの「Ryzen 5 1600X」は、AMDの「Zen」コアを6コア搭載し、12スレッドに対応する。クロックは3.6GHz。Cinebench nTマルチスレッドベンチマークで、Intelの「Core i5 7600L」を約69%上回っているという。AMDは、「2017年6月までに出荷の予定だ」としている。

 Ryzen 5ファミリーには、4コアプロセッサもある。価格は、100〜300米ドルと幅広い。AMDは、Ryzen 3ファミリーに関しては、2017年後半に出荷予定ということ以外の詳細は明らかにしていない。

 米国の半導体市場調査会社であるInsight64で主席アナリストを務めるNathan Brookwood氏は、「Ryzenファミリーは、一般的なx86の価格帯に設定される」と予想している。

 Ryzenのチップは全てアンロック対応で、オーバークロックや性能の調整用のツールも提供されている。液冷システムでは最大4.1GHzのクロック数を実現可能だという。一方、Intelは、アンロック対応はスペシャルバージョンとして販売している。

 AMDは、ハイエンドビデオやゲームの開発企業400社にRyzen 7を無料提供したという。2017年末までに、数千社を対象に同プロセッサを提供する計画だという。

「Zen」ベースのサーバチップも

 さらに、2017年6月までに、AMD初となるZenベースのサーバチップ「Naples」(32コア)も出荷するという。2017年末までに、ノートPC向けZenベースCPUも発売する。

 AMDは半導体集積回路技術の国際会議「ISSCC(IEEE International Solid-State Circuits Conference) 2017」(2017年2月5〜9日、米国カリフォルニア州サンフランシスコ)で、4コアのZenチップを発表した。同チップのサイズは44mm2で、同等の性能を持つIntelのCPUより10%小さいという。Zenコアは、Cinebench nTベンチマークにおいて、1世代前の「Excavator」コアに比べて270%の性能向上を実現したという。

 AMDのCTO(最高技術責任者)を務めるMark Papermaster氏は、「『Zen 2』『Zen 3』の開発も計画している。当社の業績は回復している。今後もこの成長を維持していく構えだ」と述べた。

 Deutsche Bank(ドイツ銀行)の金融アナリストでAMDとIntelの動向を追うRoss Seymore氏は、「Ryzenの投入によって、AMDの2017年のPC向け半導体の売り上げ個数は26%増加すると予想されている。一方、Intelの売り上げは5%減少すると予想される」と述べている。

 市場関係者は、Ryzen 7の発売を受け、Intelがデスクトップ向けCPUを値下げするのではないかと予想していたが、これまでのところ、同社は値下げについては発表していない。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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