過大入力から高速復帰、ライダー向けアンプ:前方への車両割り込みにも対応
Analog Devices(ADI)は「オートモーティブ ワールド 2018」で、「ADAS」「ELECTRIFICATION(電動化)」「DIGITAL COCKPIT」および、「POWERTRAIN」と4つのカテゴリーで、未来のクルマに向けた最新ソリューションを紹介した。
未来のクルマに向けたADIの最新ソリューション
Analog Devices(アナログ・デバイセズ、以下ADI)は、「オートモーティブ ワールド 2018」(2018年1月17〜19日、東京ビッグサイト)で、「ADAS」「ELECTRIFICATION(電動化)」「DIGITAL COCKPIT」および、「POWERTRAIN」と4つのカテゴリーで、未来のクルマに向けた最新のソリューションを紹介した。
その1つがライダー(LiDAR)受光回路ソリューション。マルチプレクサ(MUX)内蔵4チャネルTIA(トランスインピーダンスアンプ)IC「LTC6561」や、4チャンネル高速A-DコンバーターIC「LTC2175-14」、アバランシェフォトダイオード(APD)用バイアス電源IC「LT8331」などを用意している。
特に、ライダー動作時に前方を走行する車両との間に、横から割り込みしてくる車両があると、APDの受光量が増大する。APDから大きな電流が出力されると後段のオペアンプが飽和してしまい、ある一定の時間はシステムが正しく動作しないことがあるという。
LTC6561は、IC内部の回路を工夫することで、これまで実現できなかった「飽和」の課題を解決し、過大な入力があっても高速復帰することが可能になったという。これによって、車両前方で突然の割り込み走行などがあっても、ライダーシステムは短時間で正常動作に戻ることができ、高い安全性と信頼性を確保することができるという。
LTC6561は、帯域幅が220MHz、トランスインピーダンスゲインは74KΩ、シングルエンド出力は2Vp-p(100Ω)、入力電流レンジは30μA(±400mAピークの保護回路内蔵)、電源電圧は5Vとなっている。2018年2月より量産出荷を始める予定だ。
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