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技術講演の最終日午前(その3)、72Gサンプル/秒の8ビット超高速A-D変換回路福田昭のデバイス通信(134) 2月開催予定のISSCC 2018をプレビュー(10)(2/2 ページ)

「ISSCC 2018」最終日午前の技術講演から、セッション21と22を紹介する。データ転送速度が10Gビット/秒で消費電力が150μWのシリコンフォトニクス送受信回路や、72Gサンプル/秒の8ビットSAR型A-D変換回路などについて、開発成果が披露される。

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16ビットで12Gサンプル/秒の高分解能高速D-A変換技術

 セッション22の「GHz級のデータ変換器」では、超高速のアナログデジタル変換(A-D変換)技術とデジタルアナログ変換(D-A変換)技術が披露される。

 スイスのIBM Zurich Research LaboratoryとスイスのETH Zurich(チューリッヒ工科大学)、スイスのEPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)の共同研究グループは、サンプリング速度が24Gサンプル/秒〜72Gサンプル/秒と極めて高い8ビットのA-D変換回路を発表する(講演番号22.1)。ナイキスト周波数におけるSNDR(Signal-to-Noise and Distortion Ratio)は30dB。変換方式は時間インタリーブの逐次比較レジスタ(SAR: Successive Approximation Register)型である。階層構造の16並列サンプリングスイッチをインタリーブ動作させる。1個のサンプリングスイッチに4個のサブA-D変換回路を接続した。消費電力は235mW。製造技術は14nmのFinFET CMOSプロセスである。

 ミックスドシグナル半導体大手のBroadcomは、分解能が16ビットと高く、変換速度が6Gサンプル/秒と高速のD-A変換回路を開発した(講演番号22.2)。ナイキストサンプリング方式。キャリブレーションとダイナミックエレメントマッチングによって混変調歪み(IMD: Inter-Moulation Distortion)を−90dBc未満に抑えた(周波数範囲は1.9GHz)。SFDR(Spurious-Free Dynamic Range)は80dBc以上(周波数範囲は900MHz)である。消費電力は350mW。シリコン面積は0.52mm2。製造技術は16nmのCMOSプロセスである。

 University of Southern Californiaは、分解能が16ビットと高く、変換速度が12Gサンプル/秒と高速のD-A変換回路を発表する(講演番号22.3)。オーバーサンプリング(帯域通過デルタシグマ変調)方式。タイミング誤差の修正機能と振幅誤差の修正機能、逆SINCプリディストーションによって3次相互変調(IM3: Inter. Modulation 3)歪みを−85dBc〜−67dBc(ナイキスト周波数までの領域)に抑えるとともに、SFDRを60dBc以上(周波数は4.2GHz)に高めた。製造技術は65nmのCMOSプロセスである。


2月14日(水曜日)午前の注目講演(その6)。セッション22(GHz級のデータ変換器)から(クリックで拡大)

次回に続く

⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧

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