ニュース
LabVIEWの後継に新機能、遠隔監視しやすく:2017年にプラットフォームを刷新(2/2 ページ)
日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は、システム設計ソフトウェア「LabVIEW NXG」の最新版をリリースした。ハードウェアの設定時間の短縮と、リモート監視機能を簡単に実装することが可能になる。
リモート操作、監視機能を実現しやすく
2つ目の新しい機能であるWeb Moduleは、データを監視する場所が測定装置から離れている場合に有効だとする。「計測データを遠隔地から見る」と言うのは簡単だが、それを実現するには、HTMLなど標準のWeb技術、データをやりとりするネットワーク通信、アプリケーションホスティングといったさまざまな専門知識が必要になる。
Web Moduleは、LabVIEW NXGのアドオンとして使用するもので、上記のような専門知識がなくても、リモート監視や操作のシステムを実現できる。具体的には、LabVIEW NXGのグラフィカルなUI(User Interface)に対応するような、HTMLやJavaScriptのコードが自動生成される。それをタブレットなどに実装することで、その端末からWebブラウザで測定結果などにアクセスできるようになる。Web ModuleにはWebサーバの機能も含まれているので、サーバを構築する必要はない。
左=LabVIEW NXGのプログラム。グラフィカルなアイコンで構成されている/右=そのグラフィカルなUIに対応するように、HTMLが作成される。HTMLの編集もLabVIEW NXGの環境内で行える(クリックで拡大)
タブレットなどの端末にコードを実装することで、測定データをリモートで見られるようになる。この写真では、PCの画面(スクリーンに投影されているもの)とタブレットの画面が同じであることが分かる(クリックで確認)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- NIがミリ波対応ソフトウェア無線、5G研究後押し
日本ナショナルインスツルメンツ(NI)は、Eバンド(71G〜76GHz)の周波数帯に対応し、最大2GHzのリアルタイム帯域幅での送受信が可能な、ミリ波対応ソフトウェア無線システムを発表した。 - 「IoTは1日にして成らず」 日本NIが提案するIIoT
日本ナショナルインスツルメンツ(NI)は、2017年3月1〜3日に東京ビッグサイトで開催された「第7回 国際スマートグリッドEXPO」で、ポンプの予知保全システムを展示した。 - 「計測器メーカーとしてゼネラリストではいけない」
システム開発ソフトウェア「LabVIEW」を中核とする計測プラットフォームを提供する日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)。同社では2016年4月1日付で代表取締役が交代し、池田亮太氏に代わって、コラーナ マンディップ シング氏が就任した。 - 機械学習を用いた異常検知システム、NIがデモ
日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は、「CEATEC JAPAN 2017」で、MT(マハラノビス・タグチ)法を採用した機械学習アルゴリズムを用いた予知保全システムのデモを披露した。 - 産業用IoT向けイーサネットは次世代へ
産業機器分野においてIoT(モノのインターネット)を普及させる手段の1つとして、「IEEE 802.1 TSN(Time Sensitive Networking)」と呼ばれる次世代規格の標準化が進んでいる。標準イーサネットの拡張版である同規格は、コストや相互運用性などの面でメリットを生み出す可能性がある。 - インダストリー4.0の課題は人工知能で解決
センサーを利用した装置のモニタリングでは、膨大な量のデータが生成され、既にネットワークをひっ迫している。ルネサス エレクトロニクスは、同社の産業機器向け高速データ処理/通信エンジンである「R-IN」と人工知能を組み合わせ、それをエッジデバイス(工場の装置や機器)に搭載することで、この課題を解決しようとしている。