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三菱電機、低消費電力や低コストをAI技術で実現:IoTやAI関連の研究開発を強化(3/3 ページ)
「IoT」や「AI」「5G」。今後の事業戦略に欠かせないキーワードである。三菱電機はこれらの領域にフォーカスした研究開発を強化する。
28GHz帯500MHz帯域を用い、通信速度25.5Gビット/秒を達成
3つ目の「16ビーム空間多重技術」は、2020年以降にも実用化が期待される5Gの基地局に向けて開発した。この技術を適用して28GHz帯ハイブリッドビームフォーミング型超多素子アンテナシステムと、2ビーム超多素子アンテナRFユニットを開発。周波数28GHz帯で500MHz帯域を用い、25.5Gビット/秒の通信速度を実験室環境で実証した。
ハイブリッドビームフォーミング型の16ビーム空間多重技術は、APAA(Active Phased Array Antenna)によりアナログで16ビームを形成。その出力信号をMIMO(Multiple Input Multiple Output)デジタル処理して、ビーム間干渉を低減する。この技術により、4096素子アンテナ合成で得られる高い利得を、16素子分の少ない演算量で実現した。
アンテナRFユニットの薄型化も実現した。256素子アンテナの背面に、16個の移相器ICと64個の増幅器ICなどを実装して、アンテナ部と電気的に結合した。このため接続用のケーブルなどが不要となり、放熱フィンを含めユニットの厚みを7cmの抑えることができた。
実証実験などに用いる2ビーム超多素子アンテナRFユニットは、この薄型アンテナRFユニットを2台搭載している。外形寸法は25.1×28.6cm。ビル壁面などへの取り付けも容易である。2018年度内には屋外での実証実験を予定している。
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