NTTドコモとパナソニックが3地域で実証実験:LPWAネットワーク対応家電製品
NTTドコモとパナソニックは、2018年秋より東京と大阪、滋賀の3地域において、合計1000台の低消費電力広域(LPWA:Low Power Wide Area)ネットワーク対応家電製品を用いた実証実験を行う。
IoT家電製品向けのクラウドサービスなども検討
NTTドコモとパナソニックは2018年3月、低消費電力広域(LPWA:Low Power Wide Area)ネットワーク技術を活用したIoT(モノのインターネット)家電製品を用い、実用化に向けた共同実証実験を行うことで基本合意した。2018年秋をめどに東京、大阪、滋賀の3地域で合計1000台規模のLPWAネットワーク対応家電製品を用いて実験を始める。
LPWAを活用したネットワークは、低い電力消費で長距離の通信が行えることから、IoT向けに注目されている無線通信技術の1つである。このためNTTドコモは、LPWAを活用したネットワークサービスの提供に取り組んできた。
パナソニックもIoT家電製品の開発に注力している。しかし、既存の製品はインターネット回線などを経由してクラウドサービスと接続しなければならず、消費者がネットワーク接続の設定などを行う必要があった。そこで今回、LPWAネットワーク機能を搭載したIoT家電製品を開発し、NTTドコモと共同で実証実験を行っていくことにした。LPWAネットワーク対応家電製品が実用化されると、インターネット回線がない家庭でも、家電製品の電源を入れるだけで、クラウドサービスを利用することが可能となる。
NTTドコモとパナソニックは今後、LPWAネットワークを活用することで、より安全に安心して利用できる家電製品や、AI(人工知能)機能を活用した快適な家電製品などの企画なども行っていく計画だ。また、NTTドコモが2018年春より始める対話サービス「AIエージェントサービス」などを活用した、IoT家電製品向けの新たなクラウドサービスなども検討している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 予想より遅いIoT市場の立ち上がり、課題はコスト
IoT市場の成長は、着実に進んではいるが予測よりも遅いようだ。課題の1つはモジュールなどのコストだと、市場調査会社は述べる。 - ソニーが独自LPWAを展示、100km超の通信を実現
ソニーセミコンダクタソリューションズは、「Smart Sensing 2017」で、独自開発の低消費電力広域(LPWA:Low Power Wide Area)ネットワーク技術について紹介した。2017年4月に発表したもの。極めて遠い距離や高速移動中の車両からでも安定した無線通信が行える。こうしたいくつかの実験データを示した。 - LPWAへの投資は「セルラーM2Mを優先」 u-blox
u-blox(ユーブロックス)は、「LTE Cat NB1(NB-IoT)」「LTE Cat M1」といったセルラーM2M(Machine-to-Machine)に対応するモジュールの開発を、早くから行ってきた。自社製の通信チップセットを開発するなど、投資を続けている。一方で、その他のLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークについては、少なくとも今後しばらくは動向を注視する方針だ。 - 再配達をなくす! LPWA+BLEを宅配サービスに応用
村田製作所は、「SEMICON Japan 2017」の特別展「WORLD OF IOT」ゾーンで、無線通信技術「LPWA(Low Power Wide Area)」対応の通信モジュールを用いたIoTのデモを行った。 - 妨害波に強い802.15.4k、ラピスが対応LSIを開発
ロームグループのラピスセミコンダクタがプレスセミナーで、同社一押しのLPWA無線通信規格であるIEEE802.15.4k(以下、802.15.4k)に対応した無線通信LSI「ML7404」を開発したと発表。さらに、LPWAの中で802.15.4kを支持する理由を説明した。 - 京セラがSIGFOXのデモ、水道検針や物流で需要
京セラ子会社の京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は「Interop Tokyo 2017」で、LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの1つである「SIGFOX」のデモを披露した。さらに、SIGFOXのエコシステムパートナーのアイ・サイナップは、KCCSのブースにて、SIGFOXに対応したデバイスやモジュールを展示した。