再配達をなくす! LPWA+BLEを宅配サービスに応用:村田製作所がデモ
村田製作所は、「SEMICON Japan 2017」の特別展「WORLD OF IOT」ゾーンで、無線通信技術「LPWA(Low Power Wide Area)」対応の通信モジュールを用いたIoTのデモを行った。
小型のタグとゲートウェイを組み合わせ
村田製作所は、「SEMICON Japan 2017」(2017年12月13〜15日、東京ビッグサイト)の特別展「WORLD OF IOT」ゾーンで、無線通信技術「LPWA(Low Power Wide Area)」に対応する通信モジュールを用いたIoT(モノのインターネット)のデモを行った。
LPWAは、Wi-FiやBluetoothといった通信規格に比べると、データ転送速度は比較的遅いものの、消費電力が小さく通信できる範囲も広い、などの特長がある。このため、社会インフラやスマートハウス、スマートシティーなどに向けた、多くのIoTデバイスに搭載される可能性が高い。村田製作所は、LPWA技術の中でも代表的な通信規格である「Sigfox」や「LoRa」に適合する通信モジュールを用意している。
ブースでは、Sigfox/LoRaとBLE(Bluetooth Low Energy)を組み合わせた通信モジュールを用い、駐車場シェアサービスや宅配サービスなどへの応用事例を紹介した。駐車場シェアサービスは、BLE機能を搭載した小型形状の「タグ」や、SigfoxあるいはLoRaとBLE機能を搭載した「ゲートウェイ」を組み合わせて用い、駐車場に車両が存在するかどうかを管理するシステムである。
タグを装着した車両が車庫に駐車すると、ゲートウェイがタグの情報を読み取り、「どこの駐車場」に「誰の車両」が駐車したかを確認し、クラウド側にその情報を送信する。これによって、ある地域に散在する複数の駐車場の利用状況をリアルタイムで集中管理することができるという。
宅配サービスの事例では、荷物が入った段ボールにタグを取り付けると、物流経路のトラッキングや誤配送を防止することができる。温湿度センサーなどを内蔵したタグを用いると、配送中の荷物について保存状態を管理し、追跡することが可能だ。また、一般消費者が宅配業者と契約したタグを身に付けておけば、業者は配達先の住人が在宅中かどうかを、モバイル端末などの画面上で確認することができるという。これによって再配達をなくし、効率よく荷物を届けることが可能となる。
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