ニュース
狭い配線でも挟みやすいACクランプメーター:センサー部をスリム化
日置電機は、狭い配線間でも容易に電流を測定できるよう、センサー部の形状をスリム化したACクランプメーター「CM3289」を発表した。
広い使用温度範囲に対応
日置電機は2018年3月、狭い配線間でも容易に電流を測定できるよう、センサー部の形状をスリム化したACクランプメーター「CM3289」を発表した。
新製品は、センサー部の幅が50.4mm(従来の3280-20Fは58mm)で、センサー先端部の厚みを8.3mm(同9.3mm)、センサーを開いた状態での幅を71mm(同82mm)とした。これにより、小型化などによって配電盤内の配線が密集している場合でも、ケーブルを挟み込んで測定することが容易となった。
従来製品からの特長も引き継いでいる。例えば、使用温度範囲は−25〜65℃と広い。このため、寒冷地や暑さが厳しい地域でも利用することが可能である。オプションのACフレキシブルカレントセンサー「CT6280」も用意した。センサー部が柔軟な構造となっている。このため、これまで硬い樹脂製では対応できなかった場所を測定することができるという。ケーブルの断面径も5mmと細い。測定範囲はCM3289単体だと1000Aまでだが、CT6280を組み合わせることによって最大4199Aの電流測定が可能となった。
CM3289は、交流電流の測定方法として「真の実効値(True RMS)」方式を採用している。このため、インバーター装置やスイッチング電源などの影響で波形がひずんだ場合でも、正確に電流測定を行うことができる。
CM3289の価格(税別)は1万3000円で、販売目標は年間1万5000台である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 独特の形状が生んだ高確度測定、日置の電流センサー
日置電機は、貫通型電流センサーの最新製品「CT6904」を発表した。±0.027%の確度と、DC〜4MHzの広い測定帯域を実現している。 - 200MS/sのメモリハイコーダ、データ処理性能も大幅向上
日置電機は「第10回 国際カーエレクトロニクス技術展」で、最新のメモリハイコーダ「MR6000」を展示した。200Mサンプル/秒(MS/s)と高速な絶縁測定が行える他、1MS/sで取得した32チャンネル分のデータを1時間、測定しながらリアルタイムで保存できる機能なども備えている。 - ロゴスキーコイル電流プローブ、6機種を追加
岩崎通信機は、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)を用いたパワーデバイスの電流測定に向けた「ロゴスキーコイル電流プローブ」として、新たに2シリーズ6機種を発表した。 - 5分で設定、測定値の遠隔モニタリングシステム
日置電機の「GENNECT Remote Basic(ジェネクト・リモート・ベーシック)」は、計測器の測定値を、遠隔地からクラウド経由でモニタリングできるサービスだ。「現場まで行かずとも測定値を確認したい」というニーズは強いものの、実際にそのようなシステムを構築するのは難しい。GENNECT Remote Basicは、その障壁を取り除く鍵となるかもしれない。 - “熱流”を手軽に計測できるロガー――日置電機
日置電機は、熱エネルギーの移動を検知する熱流センサーを使用したデータロガーの提案を拡大させている。熱流センサー部をフレキシブルで小型化するとともに、センサー部とロガー部をワイヤレス接続化するなど多数の工夫を盛り込むことで、従来、建材や住宅用途に限られていた熱流計測の応用範囲を自動車や電子機器設計現場などへ広げ、熱流ロガービジネスを拡大させているという。 - 微小電流を測定できるDC電源、分解能は1μA
キーサイト・テクノロジーは、小型のDC電源「E36300Aシリーズ」を発売した。電源を供給しつつ、暗電流や待機電流などの微小電流を測定する機能を備えている。