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それでも自動運転開発は続けるべき、NVIDIA CEOGTC 2018でUberの事故に言及(2/2 ページ)

NVIDIAの年次イベント「GTC 2018」が米国で開催された。Uberの自動運転車が起こした死亡事故から仮想通貨まで、多くの質問がCEOのJensen Huang氏に寄せられた。

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Huang氏の関心はマシンラーニング

 Huang氏は、米国と中国の間で起こるかもしれない貿易戦争の影響に関する質問にはほとんど答えなかった。同氏は、「NVIDIAはグローバリゼーションに向けて、事業の約3分の1を中国で行っており、中国に数千人の従業員と多くのパートナー企業がいる」と述べるにとどめた。

 同氏は、「1つの国との関係から企業について語るのは意味のないことだ。われわれは相互に依存しており、共存する方法を見つけなければならない」と述べた。

 Huang氏は、仮想通貨の普及が、同社のGPU「Titan V」などのハイエンド民生製品の在庫切れにどの程度影響しているかについて直接は言及しなかった。同氏は、「Ethereum(イーサリアム)ではGPUマイニングが注目されているが、ビットコインのマイニングは通常ASICで実行されている。マイニング向けGPUは、ゲームや高性能コンピューティングと並ぶ、需要の一分野にすぎない」と語った。

 Huang氏は、多くの時間をかけてマシンラーニング(機械学習)について語った。同氏は、「ニューラルネットワークは種類が急増し、複雑化している。5年前は8層と数百万のパラメーターで構成されていたが、現在は数百層と数十億のパラメーターに拡張されている」と説明した。

「DGX-2」に関心が集まる

 「GTC 2018」の展示フロアでは、NVIDIAが披露した「DGX-2」が注目を集めた。同システムは消費電力が10kWで、32Gバイトメモリを搭載する同社のGPU「Tesla V100」を8基搭載したボードを2枚実装している。


「GTC 2018」で展示した「DGX-2」

 これらのGPUは、100Wのインターコネクトスイッチ「NVSwitch」12基で接続されている。各NVSwitchは、18基の「NVLink 2.0」インタフェースをサポートしている。

 同システムは2018年秋に発売予定で、価格は39万9000米ドルだという。データセンター事業者は、最新式のGPUサーバを独自に設計する傾向にあるため、同システムは主に、比較的小規模な研究者や科学者のグループ向けに提供する予定だという。

 Huang氏は、NVIDIAのGPUを新しい市場に広く展開するために、2つの新プラットフォームを発表した。その1つである「Isaac」は、NVIDIAの「Jetson」ボードをベースにしたロボット開発プラットフォームである。


「Isaac」プラットフォーム

 もう1つはソフトウェアプラットフォームの「Clara」で、NVIDIAのGPUサーバを既存の医療画像機器にネットワーク接続する。Huang氏は、モノクロで2次元の心臓の超音波映像をカラーの3次元映像に拡張する様子を実演した。この画像拡張は、NVIDIAのコンテナや仮想化ソフトウェア、NVIDIAのGPUで動作する「Kubernetes」によって実現されている。

 Xavierのオープンソース化に向けた取り組みは、従来の半導体事業の拡大につながると大いに期待されている。Armとの契約でIP(Intellectual Property)のサポートを受けることで、NVIDIAの「TensorRT」コンパイラを推論ジョブに広く展開することが可能になる。

【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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