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東芝のモータードライバーIC、高速回転に対応:冷却用ファンの小型/高性能化へ
東芝は、高速回転に対応した三相ブラシレスモータードライバーICとして2製品を発表した。家電製品や産業機器などに搭載される小型ファンモーター用途に向ける。
150度通電方式で安定動作
東芝は2017年6月、高速回転に対応した三相ブラシレスモータードライバーICとして2製品を発表し、量産出荷を始めた。家電製品や産業機器などに搭載される小型ファンモーター用途に向ける。
新製品は12V電源対応(電源電圧は6〜22V)の「TC78B015FTG」と、24V電源対応(電源電圧は6〜30V)の「TC78B015AFTG」である。冷却用途に用いられるファンモーターは、冷却能力を高めるため高速回転の要求が高まっている。また、省スペースに向けた小型化のニーズも強い。
新製品は、高速回転に対応するため150度通電方式を採用した。正弦波通電方式に比べ高速回転で安定した動作が行え、従来の120度通電方式より振動を抑えることができるという。出力オン抵抗は0.24Ωと小さい。このため、モーター電流が増加する高速回転時でも、IC自体の損失は小さく、最大3Aまで駆動することが可能である。
パッケージは、外形寸法が5×5×0.8mmと小さいWQFN36である。さらに、1センサー駆動と電流検出抵抗レスシステムを採用した。1センサー駆動システムは、センサーレス駆動に比べモーター動作の信頼性が向上し、ホールセンサーの部品点数も1個で済む。電流検出抵抗レスシステムは、定格電力と形状の大きい外付けの抵抗部品をなくすことができ、実装基板の小型化が可能となる。
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