微細化限界に達したフラッシュをMRAMで置き換え:福田昭のストレージ通信(102) GFが語る埋め込みメモリと埋め込みMRAM(2)(2/2 ページ)
埋め込みフラッシュメモリが直面する課題は、微細化の限界である。GLOBALFOUNDRIESは、2xnm以下の技術世代に向けた埋め込み不揮発性メモリとして、MRAM(磁気抵抗メモリ)を考えている。
22nm世代から埋め込みMRAMの製品化を開始へ
GLOBALFOUNDRIESは講演で、130nm世代から7nm世代までの8世代に渡る、埋め込み不揮発性メモリのロードマップを明らかにした。ロードマップに掲載された不揮発性メモリは、MTP(Multiple Time Programmable)メモリ、フラッシュメモリ(eFlash)、フラッシュメモリの置き換えを想定したMRAM(eMRAM-F)、SRAMの置き換えを想定したMRAM(eMRAM-S)、単体のフラッシュメモリと単体のロジックを1個のパッケージに封止したSIP(Silicon In Package)フラッシュ(SIP Flash)である。
MTPメモリは、130nm世代と55nm世代の自動車用IP(メモリのマクロ)を製品として供給している。埋め込みフラッシュ(eFlash)は、130nm世代と55nm世代の自動車用IP(メモリのマクロ)を供給中であり、2018年中には40nm世代の自動車用IPを製品化する計画である。
フラッシュ代替の埋め込みMRAM(eMRAM-F)は、2018年に22nm世代のマクロを民生用と産業用に製品化する。そして2020年には、22nm世代で自動車用のマクロを供給する。これらの製品は将来、12nm世代へと微細化する計画である。
SRAM代替の埋め込みMRAM(eMRAM-S)は、14nm世代から供給を始める。製品化の時期は未定である。将来は7nm世代へと微細化する予定だ。
(次回に続く)
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