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NIMS、電子顕微鏡のシェアリングサービス開始:先端研究を支援
物質・材料研究機構(NIMS)は、最先端電子顕微鏡技術の開発などを共同で行う、シェアリング型官民連携サービス「オープンラボプログラム」を開始した。
多機能電子顕微鏡など3機種4台を設置
物質・材料研究機構(NIMS)は、最先端電子顕微鏡技術の開発などを共同で行う、シェアリング型官民連携サービス「オープンラボプログラム」を2018年5月14日より開始した。
このサービスは、オリックス・レンテックと日本電子の協力を得て実施する。NIMSは、企業が支払う年間利用料(351万円、税別)で、ハイエンド電子顕微鏡の調達や維持管理、運用を行う。オープンラボプログラムは、NIMSの技術開発・共用部門電子顕微鏡ステーション千現地区に設置される装置を利用して、先端電子顕微鏡に関する最新技術や検査手法の開発、応用研究探索などを、企業とNIMSが共同で行う。
設置される装置は、3機種4台である。オリックス・レンテックからレンタルして導入する日本電子製の多機能電子顕微鏡「JEM-F200」1台の他、日本電子製の原子分解能分析電子顕微鏡(収差補正装置を搭載)「JEM-ARM200F」2台、日立ハイテクノロジーズ製の高性能FIB-SEM複合装置「NB5000」1台となっている。
高性能な電子顕微鏡は、ナノテクノロジーなどの先端研究には欠かせない。しかし、限られた研究予算の中で、大学や研究機関などが単独で購入することは極めて難しい。導入しても装置の老朽化や陳腐化という課題がある。このような状況下でNIMSは、オリックス・レンテックや日本電子と連携し、高度な検査や分析が行える環境を研究者に提供することにした。
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