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テストの自動化、AIの活用で次の段階へ?NIWeek 2018

National Instruments(NI)のユーザー向けカンファレンス「NIWeek 2018」(2018年5月21〜24日、米国テキサス州オースチン)の基調講演では、機械学習を活用すれば、テストの自動化でAI(人工知能)の恩恵を受けられる可能性があることが示された。

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 National Instruments(NI)のユーザー向けカンファレンス「NIWeek 2018」(2018年5月21〜24日、米国テキサス州オースチン)では、全体を通して、開発効率をいかに向上するかが焦点となった。電装品のテストを自動化し、ECU1個についてのテストの工数を最大90%削減したマツダの事例も、その1つである(関連記事:「電装品のテストを自動化したマツダ、工数は最大90%減に」)。

 新製品でも、自動テストシステムをさらに効率よく開発できるソフトウェアが発表された。「InstrumentStudio」である。主に、自動テストシステムを開発する際のデバッグを、より簡単にできるようにするもの。従来、NIがPXIモジュール式計測器のインタラクティブ操作用ソフトウェアとして提供してきた「ソフトフロントパネル」では、オシロスコープや信号発生器など、計測器ごとに専用のフロントパネルを起動する必要があった。InstrumentStudioでは、1つのウィンドウの中に、さまざまな計測器の操作機能が統合されている。そのため、InstrumentStudioのみで、計測器の操作を完結できる。つまり、デバッグしながら、テストを自動化するための設定を素早く行えるようになるという。

 さらに、それらの設定を、NIのシステム開発ソフトウェア「LabVIEW」にエクスポートすることも可能だ。NIによれば、デバッグ用のユーザーインタフェースに対して高いニーズがあったため、InstrumentStudioを開発したという。


「InstrumentStudio」の画面(クリックで拡大)

 テストの自動化については、NIWeek 2018の基調講演で興味深い話があった。テストを自動化する際、最も時間がかかるところが、セットアップとデバッグだ。デバッグでは、InstrumentStudioのようなソフトウェアを使うとして、セットアップの方にAI(人工知能)、具体的には機械学習を使えるのではないか、という内容である。

 開発中のチップを検証する際、どんな信号がどういった挙動で出てくるかが分からず、しかも端子数が100、200にも及ぶ中、テストシステムのセットアップにはかなりの時間がかかる。テストエンジニアが。マニュアルで苦労しながら行っているのが現状だ。そこで、波形のパラメータを機械学習で学習させ、テストで使用するべき閾値をAIに判定させる。これができれば、テストエンジニアは、より高度な作業にリソースを割けるようになる。

 現時点で、NIが具体的な構想を持っているわけではないが、上記のように機械学習を活用すれば、テストの自動化でAIの恩恵を受けられる可能性があることが、基調講演で示された。


基調講演では、テストの自動化において、AI(具体的には機械学習)をどのように活用できるかが議論された(クリックで拡大)

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