クラウドFPGAで「AV1」エンコード、処理速度は約10倍:H.265と同等画質で30%データ削減
ソシオネクストは、クラウド上のFPGAに映像データ圧縮規格「AV1」対応のエンコード処理機能を実装した。顧客はクラウド上でエンコード処理機能を利用することができる。今後はサービス提供を中心とした新たな製品形態も提案する考えだ。
ソシオネクストは2018年6月、クラウド上のFPGAに映像データ圧縮規格「AV1」対応のエンコード処理機能を実装したと発表した。顧客はクラウド上でエンコード処理機能を利用することができる。今後は、クラウドを利用した半導体製品の機能評価など、サービス提供を中心とする新たな製品形態についても提案する考えだ。
処理速度はCPU単体に比べ約10倍
同社は、最新の映像データ圧縮規格に対応したコーデックSoCや、SoCを搭載したハイブリッドコーデックモジュールなどを開発してきた。2018年3月に正式仕様が公開されたAV1は、HEVC/H.265による圧縮と比較して同等の画質で30%程度のデータ削減が可能とされ、同社はこのコーデックにもいち早く対応した。
今回は、アマゾンウェブサービス(AWS)の「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)F1インスタンス」を実行環境として用い、クラウド上のFPGAにAV1準拠のエンコード処理用アクセラレーター機能を実装した。従来のCPU単体による動作に比べて、処理速度は約10倍も向上したという。F1インスタンスを活用したことで、開発作業は1.5カ月という短期間で完了した。
今回の成果により、「コーデック機能をクラウドから利用できる環境を、短期間で実現できることを確認できた」(同社)という。これまで行ってきた半導体製品の提供に加えて、クラウド上に構築した各種アクセラレーター機能などを利用して、新しい形態のビジネス展開も視野に入れている。
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