ソシオネクスト、映像データ処理で2社と協業:加速するメディアクラウド
ソシオネクストは、データセンター向け映像処理ソリューション「Media Cloud(メディアクラウド)」プロジェクトの一環として、AdvantechとSoftIronの2社と、それぞれパートナーシップ契約を結んだ。
データセンターにおける映像データ処理の効率を10倍以上に
ソシオネクストは2017年8月、データセンター向け映像処理ソリューション「Media Cloud(メディアクラウド)」プロジェクトの一環として、AdvantechとSoftIronの2社とそれぞれパートナーシップ契約を結んだ。
ソシオネクストが取り組むメディアクラウドは、データセンターにおける映像データ処理の効率を、従来の10倍以上に高めるための開発プロジェクトである。これを実現するために、ソシオネクスト製コーディックSoCを搭載したサーバ製品を、パートナー各社と協力しながら開発してきた。
今回発表したAdvantechとの協業では、メディアクラウドの技術をAdvantechの高密度ビデオサーバ「VEGA7000」ファミリーに実装し、効率の高いクラウドサービスを実現していく予定である。
AdvantechのVEGA7000ファミリーは、1Uラックに最大4台のアクセラレータ「VEGA-3318」を実装しており、1ラックユニット当たり32個の4Kp60プロファイルを提供することが可能である。また、Linuxおよび、Windows SDK、FFmpegプラグイン、OpenStackをサポートする仮想化に対応したドライバーを備えたソフトウェアパッケージを用意しており、開発者は最小限の作業時間で済むという。
高密度サーバ技術に特化した新興企業のSoftIronとは、映像データ処理用サーバ「HyperCast」を開発していく。ソシオネクスト製マルチフォーマットコーディック「MB86M30」をベースに、大規模なトランスコード能力と、大容量SSDストレージを1ラックユニットの筐体内に実装する。
SoftIronは、2017年第4四半期(10〜12月)にHyperCastのサンプル出荷を始める。2018年初めには量産出荷を開始する予定となっている。
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