映像データ処理、従来の10倍以上に効率向上:メディアクラウドプロジェクト
ソシオネクストは、データセンターにおける映像データ処理の効率を、従来の10倍以上に高めるためのプロジェクト「メディアクラウド」を推進している。2017年秋以降にはパートナー企業と協力し、高効率のサーバ製品を開発、供給していくという。
コーデックSoC搭載、消費電力は従来の10分の1
ソシオネクストは2017年8月、データセンターにおける映像データ処理の効率を、従来の10倍以上に高めるためのプロジェクト「メディアクラウド」を推進していくと発表した。同プロジェクトでは、パートナー各社と協力し、同社のコーデックSoCを搭載したサーバ製品を開発し、2017年秋以降にも供給を始める予定である。
メディアクラウドは、映像データが4K時代を迎える中で、データセンターにおけるトランスコード処理の効率を飛躍的に向上させるためのプロジェクトである。これに基づき、ハードウェア製品や関連サービスを、パートナー企業と協力して開発、供給していく。
サーバ製品は、ソシオネクスト製マルチフォーマットコーデックSoC「MB86M30」を実装した「Sea of Transcoders」と、マルチメディアファイル変換ソフト「FFMpeg」やマルチメディアフレームワーク「GStremer」といったソフトウェアに対応するx86アーキテクチャのプロセッサなどを1つの筐体に収納している。
このシステムを用いると、AVC/HEVCのABR(Adaptive Bit Rate)ストリームを最大で256バンドル同時にトランスコード(入力映像は1080p60の場合)することが可能となる。搭載したMB86M30は、これらの処理を1チップで実行することができるため、消費電力は従来のサーバシステムに比べて約10分の1で済むという。
ソシオネクストは、「データセンター管理者からは、従来と同様なサーバに見えるが、32個のトランスコード専用ユニットを内蔵したことにより、設備投資と運用コストを大幅に節減できる」とコメントしている。また、MPEG 2やAVC、HEVCといった動画圧縮規格をサポートしており、「ライブでのコンテンツ配信やエッジ処理の最適化、ビデオ会議システム、ユーザー生成コンテンツなど、幅広い用途に対応することができる」という。
データセンター向けサーバ製品は既に開発を終え、試作機の評価を行っている。2018年には実稼働が始まる見通しである。
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