電源分圧出力付き電源IC、エイブリックが開発:高精度にバッテリー電圧を監視
エイブリックは、IoT(モノのインターネット)機器やウェアラブル機器のバッテリー電圧監視などに適した電源分圧出力付きの降圧型スイッチングレギュレーターIC「S-85S0P」シリーズを発売した。
IoT機器やウェアラブル機器などの用途に最適
エイブリックは2018年7月、電源分圧出力付きの降圧型スイッチングレギュレーターIC「S-85S0P」シリーズを発売した。IoT(モノのインターネット)機器やウェアラブル機器のバッテリー電圧監視などの用途に向ける。
S-85S0Pシリーズは、電源分圧出力機能と極めて小さい消費電流を実現した製品である。電源分圧出力機能により、リチウムイオン電池から供給される3.6Vの電圧を、ICに内蔵した抵抗で分圧し、1.8Vや2.5Vに降圧して供給することができる。
低電圧動作のMCUでバッテリーの電圧監視を行う場合、分圧用抵抗が必要であった。S-85S0Pシリーズは降圧した出力を、MCUに内蔵されたA-Dコンバーターに直接入力することができ、高精度かつ低消費電流のバッテリー監視が可能になるという。また、イネーブル回路を内蔵しており、必要がない場合は機能を停止させることができる。これまで外付けしていた分圧用の抵抗やイネーブル用FETはS-85S0Pシリーズを用いることで不要となる。
S-85S0Pシリーズは、外形寸法が2.46×1.97×0.5mmのSNT-8Aを採用した。搭載される機器の小型、薄型化に対応したパッケージである。さらにスタンバイ時の消費電流は260nAで、100μA以下の軽負荷時でも90.5%の効率を実現しているという。
S-85S0Pシリーズは、IoT機器やウェアラブル機器の他、Bluetooth対応機器、ヘルスケア機器、スマートメーター装置、ローパワーのワイヤレスセンサーネットワーク機器などの用途に向ける。
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