帯域8GHzのオシロ、全チャンネル同時に25GS/sを実現:テクトロニクスが発表(2/2 ページ)
テクトロニクスは2018年7月17日、ミッドレンジのオシロスコープとして「6シリーズMSO(ミックスド・シグナル・オシロスコープ)」を発表した。全チャンネル(4チャンネル)をオンにしても8GHz帯域を使用でき、25Gサンプル/秒(GS/s)で信号を取り込める。
ハイエンド機種向けのプローブをミッドレンジでも
6シリーズMSOに対応した新しいプローブを3種類、併せて発表した。特に、「TDP7700シリーズ TriMode 差動プローブ」は、ハイエンド機種向けのプローブに使っていた技術を、ミッドレンジ機種でも使えるようにした製品となっている。
対応する周波数帯域は4GHz、6GHz、8GHzで、“TriMode”の名前の通り、差動、シングルエンド、コモンモードの3つのモードで測定できる。さらに、先端には「TekFlexコネクタ」と呼ぶ、洗濯ばさみのような形状のクリップを取り入れていて、さまざまなプローブのチップに付け替えられるようになっている。特に高周波の測定に欠かせないはんだ付け用のチップ、手持ちのブラウザ、といった具合だ。「このTriMode 差動プローブは、もともと20GHzなどハイエンドの機種向けだった。ただ、4GHzや6GHzなどのミッドレンジ機種でも使いたいという要望が多かったため、オシロスコープに接続するコネクターの部分を変えて、ミッドレンジ機種にも対応できるようにした」(テクトロニクス)
本体価格は、6シリーズMSOの8GHzが991万円、6GHzが746万円、4GHzが535万円、2.5GHzが410万円、1GHzが310万円。TDP7700シリーズ TriMode 差動プローブは、95万8000円からとなっている。
テクトロニクスは、「今や設計のメインストリームとなっている組み込み機器向けのオシロスコープでは、8GHzなど必要な帯域がどんどん上がっている。そうなると、プローブもそれに合わせて広帯域になる必要がある」と説明する。テクトロニクスの製品ラインアップにおける“ミッドレンジ”の定義も変わってきている。「従来は、1GHz〜2GHzの帯域をミッドレンジと呼んでいた。今では、8GHzまでをミッドレンジもしくは汎用と考えている」(同社)
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