パナソニック、PLCデバイスの開発製造受託を開始:HD-PLC通信方式に対応
パナソニックは、既存の電力線を利用する通信方式「HD-PLC」に対応した産業機器向けPLC(Power Line Communication:電力線通信)デバイスの開発製造受託を、2018年8月より始める。評価や先行導入に向けて汎用PLCアダプターも用意した。
顧客の機器仕様に応じた回路構成で提供
パナソニックは2018年7月、既存の電力線を利用する通信方式「HD-PLC」に対応したPLC(Power Line Communication:電力線通信)デバイスの開発製造受託を、2018年8月より始めると発表した。産業用機器にPLCデバイスを組み込むことで、電力線を活用した通信ネットワークを容易に構築することが可能となる。
パナソニックは、顧客の機器仕様に応じた回路構成やPLCデバイスのカスタマイズなどにも対応する。例えば、「PLC通信デジタル部のみの構成」や、「重畳回路を含むアナログ部とPLC通信デジタル部の構成」「アダプターとしての完成品」あるいは、「AC100Vから240Vまで広範な入力電圧への対応」「DC入力への対応」といったさまざまなニーズに応えていく。
また、イーサネットやRS-485、USBなど各種インタフェースと電力線通信を接続するための変換機能などもサポートしている。さらに、複数のPLC機器間でネットワークを中継して通信距離を延ばしたり、伝送障害時にルートを自動で変更したりする「マルチホップ機能」や、マスター機器が不具合を生じた時に、別の機器がマスター機能を自動的に引き継ぐ「セカンダリーマスター機能」も搭載することができる。
パナソニックは、PLCデバイスの評価や先行導入に向け、マルチホップ機能を搭載した汎用PLCアダプター「DA-PU100」シリーズを2018年8月より販売する。使用環境温度範囲は−25〜60℃で、防塵性能はIP5X、電気回路は汚染度3に対応する。セカンダリーマスター機能なども搭載している。DA-PU100シリーズは4モデルあり、屋内用と屋内屋外用に、それぞれ端子台タイプとコンセントタイプを用意した。
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