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「XPERIA XZ2 Premium」にみる、スマートフォンの主戦場“カメラ周り”最新動向この10年で起こったこと、次の10年で起こること(28)(3/3 ページ)

2基のカメラを搭載する「デュアルカメラ・スマートフォン」が当たり前になりつつある。今回は、ソニーとして初めてデュアルカメラを搭載したスマートフォン「XPERIA XZ2 Premium」の内部を観察していく。

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規格化されていないカメラ領域

 表1は、2018年前半に発売になった代表的なスマートフォンのデュアルまたはトリプルカメラの様子と画像処理を行うプロセッサの様子をまとめたものである。弊社では一つ一つのCMOSイメージセンサーも取り外し顕微鏡でピクセルピッチやチップサイズ、端子構成までも調査している。この記事にiPhone XSやMATE20が間に合っていないので2018年を語れていないが、多くはプロセッサの内部で画像合成処理を行っている。まずISP処理を行い(現在は2基以上のISPを持つプロセッサがほとんど)、その後合成処理を行う。


表1:2018年発売スマートフォンでの複数カメラ搭載例(一部) (クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 一方、AUBEを持つソニー製端末では、まず合成を行う。リアルタイム性の高いものになる構造だ。

 スマートフォンは規格化された通信、共通化されたOSを使う。その部分は競争領域にはなっていない。それら規格化された機能に対応することが条件となっている。一方カメラは競争領域だ。各社各様に競い合っている。表1のように内部は各社バラバラだ。こうした競争領域が新たな技術、トレンドを生む。そのための競争が激化している。

 センサー合戦が一段落し、再びカメラがスマートフォンの競争領域の主戦場になっている。2018年から2019年にかけてもしばらくはカメラ周りが主戦場であることは間違いない。今後の進化、変化が楽しみの場所である。

 なお、10月公開の本連載記事はiPhone XSについて言及したいと思っている。

「この10年で起こったこと、次の10年で起こること」連載バックナンバーは、こちら

筆者Profile

清水洋治(しみず ひろはる)/技術コンサルタント

 ルネサス エレクトロニクスや米国のスタートアップなど半導体メーカーにて2015年まで30年間にわたって半導体開発やマーケット活動に従事した。さまざまな応用の中で求められる半導体について、豊富な知見と経験を持っている。現在は、半導体、基板および、それらを搭載する電気製品、工業製品、装置類などの調査・解析、修復・再生などを手掛けるテカナリエの代表取締役兼上席アナリスト。テカナリエは設計コンサルタントや人材育成なども行っている。


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