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UHF帯RF IDを用いた電子ペーパータグ技術を開発:バッテリーレスで情報を書き換え
富士通セミコンダクターは、UHF帯無線給電技術を用い、電子ペーパーディスプレイの表示内容をバッテリーレスで書き換えることができる技術を、台湾のE Inkと共同開発した。
IoT時代を支えるFRAM技術の新たな用途
富士通セミコンダクターは2018年10月10日、UHF帯無線給電技術を用い、電子ペーパーディスプレイの表示内容をバッテリーレスで書き換えることができる技術を、台湾のE Inkと共同開発したと発表した。システム開発/評価を容易にするレファレンスボードの提供も始めた。
開発したバッテリーレス電子ペーパータグには、富士通セミコンダクターのUHF帯RF ID用LSI「MB97R8110」を応用した。MB97R8110のユーザーメモリ領域にはFRAMを集積している。これによって、画像データを外部から任意に転送し、短時間で表示用データの書き換えを行うなど、バッテリーレス無線によるデータストレージが可能となった。しかも、NFC(近距離無線通信)のようにデータ通信時にアンテナを密着させる必要がなく、システム構築が容易となる。
バッテリーレス電子ペーパータグ技術は、物流ラベルや電子看板、電子ペーパータグ、電子ペーパー名札、IDカード、電子棚札などに適用することができる。これによって、離れた位置から表示内容の書き換えが可能となる。商品情報などデータの一括読み出しも行えるという。同社のFRAM技術を活用したLSI事業における、新たな用途の1つと位置付ける。
なお、今回発表したバッテリーレスソリューションは、「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、千葉・幕張メッセ)のE Ink Japanブースに展示する。
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