ニュース
凸版印刷、環境発電で駆動する電子ペーパー開発:無線通信規格「EnOcean」に対応
凸版印刷は、環境発電(エネルギーハーベスティング)技術で動作する電子ペーパーを開発した。
IoT機器の情報表示を電池レスで実現
凸版印刷は2018年6月、環境発電(エネルギーハーベスティング)技術で動作する電子ペーパーを開発したと発表した。無線通信規格「EnOcean」に対応するIoT(モノのインターネット)機器などの情報表示用途に向ける。2018年9月よりサンプル出荷を始める。
新製品は、外形寸法が138×84×18mm、表示部のサイズは20×20mmで、表示画面1.11インチのセグメント型E Ink電子ペーパーである。消費電力は200μJと小さく、数字や文字、アイコンなど固定パターンを滑らかに表示することができる。
新製品は、環境発電技術と極めて消費電力が少ない無線通信技術をベースとしたEnOceanに対応した。これにより、既存のデータ通信インフラを活用したインダストリー4.0やIoTシステムとの連携が容易となる。表示する情報の書き換えは、環境発電による極めて小さい電力で行うことができる。一度表示した情報は、新たな書き換え指示があるまで電源なしで保持されるという。
凸版印刷は、パートナーとの協業も含め事業化に向けた開発に取り組み、2019年春にも量産を始める予定だ。なお、今回の電子ペーパーをベースとした電池レススイッチのプロトタイプを試作し、「第29回 設計・製造ソリューション展」(2018年6月20〜22日、東京ビッグサイト)の自社ブースに展示中だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 生活者の行動で色や絵柄が変化? DNPが楽しいPOP
POPの前の商品を手に取ったり、会員カードなどをPOPにかざしたりすると、色や絵柄が変化する――。大日本印刷(DNP)は2017年3月、この機能を実現する電子ペーパーを開発した。 - EnOcean無線通信、ビルや住居で採用広がる
EnOcean(エンオーシャン)アライアンスは2017年11月2日、EnOceanに関する最新の動向と技術を紹介するイベントを新横浜で開催した。海外市場における最新の導入事例や製品の技術動向とともに、新たなロゴマークも紹介した。 - 凸版印刷、中国で14nmフォトマスクを生産
凸版印刷は、中国・上海工場に先端フォトマスクの量産に向けた設備投資を行う。2018年度中には14nmフォトマスクの生産を始める計画である。 - EOL製品を再製造、コアスタッフが専門事業を開始
コアスタッフは、半導体設計会社などと「EOL Alliance」を立ち上げ、半導体メーカーがEOL(生産中止)としたIC製品を再設計および再製造するサービス「EOLリボーン」を開始した。 - 環境発電で長距離通信可能なセンサーシステム
EnOceanはNTT東日本と共同で、環境モニタリング用エネルギーハーべスティング長距離無線通信センサーソリューションを商用化した。同ソリューションは、最大7kmの長距離無線通信、太陽光や温度差などによる電力の確保、悪天候に耐える堅固さなど、屋外でのセンシングに不可欠な特性を備え、屋外でもメンテナンスフリーでの活用が可能だ。 - 人と車つなぎ事故防ぐ? 靴にセンサーを入れてみた
ルネサスイーストンは、「Embedded Technology 2016」「IoT Technology 2016」(2016年11月16〜18日/パシフィコ横浜)で、環境発電で動作する無線通信規格「EnOcean」対応する靴センサーを用いた交通事故の予防予知ソリューションのコンセプト展示を行った。