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125℃動作を保証し5V対応、64kビットFRAM富士通セミコンダクター

富士通セミコンダクターは、125℃までの動作温度を保証し、最大5.5Vの電源電圧に対応する64kビットFRAM(強誘電体メモリ)「MB85RS64VY」を開発した。

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自動車や産業機械などで生じるデータを瞬時に記憶

 富士通セミコンダクターは2018年10月30日、125℃までの動作温度を保証し、最大5.5Vの電源電圧に対応する64kビットFRAM(強誘電体メモリ)「MB85RS64VY」を開発したと発表した。自動車や産業機械などで生じるデータを瞬時に記憶するバッファメモリ用途に向ける。

 FRAMは、高速書き込みが行え、書き換え耐性にも優れた不揮発性メモリである。同社は1999年より量産を行ってきた。特に最近は、用途や顧客の要求仕様に対応したFRAM開発に注力する。例えば、−55℃までの低温動作保証や125℃までの高温対応など、動作する温度環境を広げた製品群を用意してきた。今後はメモリの大容量化なども視野に入れている。

 MB85RS64VYは、−40〜125℃と動作温度範囲が広く、同時に動作電源電圧を2.7〜5.5Vとした。5Vで動作する温度センサーは、現在でも自動車や産業機械で利用されている。新製品はこれらの用途に応えるため開発した。同社がこれまで供給してきた125℃動作のFRAM製品は、最大3.6Vであった。このため、周辺回路の電圧が5Vで設計されていると、降圧回路を外付けする必要があった。新製品を用いることで、外付け回路を追加する必要はないという。

MB85RS64VYの外観と応用例

 MB85RS64VYは、8k×8ビット構成で、SPIインタフェースを備えている。動作周波数は最大33MHzで、書き換え回数は10兆回を保証する。パッケージは、EEPROMからの置き換えを狙った8端子SOP品に加え、ロータリーエンコーダーなどへの組み込みが容易な小型の8端子SON品も用意した。SON品は従来のSOP品に比べて、面積は約30%、実装体積は約13%と極めて小さい。

 MB85RS64VYは既に、評価用サンプル品の供給を始めており、2019年第1四半期(1〜3月)には量産を行う予定である。

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