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エイブリック、車載用3〜6セルバッテリー監視IC:単独監視や内部の故障検出が可能
エイブリックは、車載向け3〜6セル直列バッテリー監視用IC「S-19192」シリーズを開発、2018年12月より販売を始めた。
自己診断機能により偶発的故障も検出
エイブリックは2018年12月、車載向け3〜6セル直列バッテリー監視用IC「S-19192」シリーズの販売を始めた。
S-19192シリーズは、単独で動作可能なため、マイコンによる制御を行わなくても、バッテリーの過充電や過放電を常に監視することができるという。また、自己診断(セルフテスト)機能を搭載しており、外部からリセット信号とクロック信号の2つの信号を入力するだけで、IC内部の故障を検出することが可能だ。
万が一、偶発的な故障によってバッテリーの過充電や過放電を監視する機能に不具合が生じた場合でも、自己診断機能により監視機能が故障していることをシステム側に通知することで対処できる。
S-19192シリーズを、車載バッテリーマネジメントシステム(BMS)のセカンダリー監視ICとして利用すれば、より安全性の高いBMSを実現できるという。また、動作時の消費電流は最大18μAと極めて小さく、暗電流制限要求の厳しい用途にも適用可能だ。
S-19192シリーズの過充電検出電圧は2.50〜4.50V±20mV、過放電検出電圧は1.50〜3.00V±80mV。最大定格は28V。動作温度範囲は−40〜105℃。パッケージは16端子HTSSOPで供給する。
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